鎌ヶ峰には登山道がない。西へ流れる飛騨川(木曽川水系)と東へ流れる梓川(信濃川水系)の分水嶺でもある。
無積雪期は野麦峠からヤブこぎでピストンもあるらしいが、残雪の時期の方が楽しそうだ。
4月末になれば野麦峠まで車が入れるものの、稜線でも残雪の中からヤブが出て来そうなので4月の上旬に下から歩いて登る予定にしていた。
ところが、このところの気温の上昇と好天続きの天気予報により、予定を早めて登る事にした。
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野麦峠までは除雪も無く歩き難そうだ、もちろんゲートも締まっている。
この残雪期は牧場付近から尾根に乗り稜線から山頂へ登る報告もあるので、そのルートを選択した。
ゲート手前に一台、尾張小牧ナンバーの車(Aさん)が停まっているのが見えてきた。声を掛けると私と同じルートで鎌ヶ峰へ登るとの話だった。
雪の壁の間に轍の残った道を牧場まで入れたので、私はその付近に駐車した(私有地だったので下山後に注意された)
私が準備している間に、Aさんは既に通り過ぎて登って行った。
最初は牧場横の林道を歩く。今朝の麓の気温は放射冷却の影響か?
よく冷えてマイナス7度だった。その為、雪が締まって歩き易い。
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この辺りから尾根に取着く
既に青空が広がっている
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歩き易い尾根道だった。
急坂になりかけた所でアイゼンを着けた。
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標高が1600mを越え、右手にはまっ白に光る乗鞍の姿。
眼がクラクラするほどの輝きだ。
この山は殆どが落葉する唐松なので木立があっても何処からでも展望は効く
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1700mを越えたころ、チョットしたコブになっているピークが岩場。
大きく被さった雪屁の横をトラバース
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雪も沈むようになってきた1850m
ラッセルしながら先行していたAさんに追いつく。
お礼を言って此処から山頂までは私がラッセルをした。
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稜線手前の厳しい急坂を登りきって稜線に出ると鎌ヶ峰の山頂らしき姿が見えた。
稜線コルは開けた展望地だった。Aさんと展望を楽しむ。 |
コルから山頂への斜面
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穂高連峰をバックに
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南西方向には御嶽の姿。
剣ヶ峰付近には薄く噴煙が見えた。
稜線コルから鎌ヶ峰へは、実は急坂が二段になったいて、愈々これが最後の坂。
貧相な山名標示板。山頂は樹林に囲まれて展望はあまり良くない。
山頂を30mほど北へ行くと乗鞍の大展望
寒かった朝の気温は何処へ行ってしまったのか暖かい。山頂は全くの無風で気持ち良い。
Aさんと山談義しながらのんびりと昼食タイム。
なんとAさんは73歳、岐阜百山(120座)、続岐阜百山(別の130座)の完登も残すところ数座との事。
ヤブ山の多い岐阜の250座は並大抵では登れない筈だが、坦々とこなしてこられた様子は、その足取りで覗えた。
稜線コルへ下る途中は展望が良すぎてカメラを離せない
中央アルプス
稜線コルへ下るAさん
気温が上がり雪面は緩んできた
乗鞍から穂高連峰のパノラマ(拡大できます)
鎌ヶ峰は絶好の展望日和となり、大満足の残雪登山だった。
野麦峠スキー場の導入路付近の渋沢温泉「ウッディ・もっく」は格安の410円。
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