大佐飛山と言ってもメジャーではないので地元の方以外にはあまり知られていないのだろう。
栃木百山の中でも一番遠い山とされているが、遠いこともあるが深い藪に覆われていて辿り着きにくい山。
残雪期に現れる締まった雪の回廊が出来るときだけ登ることが出来る。
その長大な回廊を、天空の雪回廊と呼ばれている。そんな情報を知るとどうしても行ってみたくなるのだ。
好時期は4月中旬とされている。でも今年の積雪状況では今が限界かもしれない。
記録を探してみると、雪質に大きく左右されるので往復8時間から14時間の覚悟がいる。
だから朝は早く出発したい。その為前日の内に林道の様子や登山口の場所を確認しておいた。
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登山口の様子(前日、明るい時間に撮った)
黒滝山登山口となっている。黒滝山までは登山道があるということだろう。
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登山口からは急登だった。ヘッデンで足元を照らしながら登る。
滑りやすいところには長いロープもあった。
昨日もそうだったが今も小雪が舞っている。
稜線からは緩やかな道になり、一つ目のピークの三石山に着くころ
東の空がオレンジ色に染まってきた。
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標高が1300mを越える頃アイゼンを着けた。
冬型の北風が吹き気温が低いので足元の雪は締まっていて歩き易い。
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約3時間で黒滝山。
積雪状況と気温を考慮して、軽い6本爪アイゼン、靴も軽量のものにしたので楽だった。
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黒滝山を過ぎると夏道は無いらしいが、冬用のテープがついている。
西村山までの間には複雑な地形があり、テープも判りづらくて迷うところ。
依然として小雪がちらついているものの青空も出たりしている。
前日から降った雪で沈み方が大きくなってきたので西村山の手前でスノーシューに履き替えた。
大長山を過ぎ、樹林を出ると目の前に長い雪原が現れた。
でた~これが雪の回廊だ!!!
面白いセッピの造形美が続き、風で雪が舞い上がっている。
向こうに山頂が見えてきたがまだ遠いな
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右手に下り、左に曲がりながら尾根を登ると山頂。
その前に回廊が続く
意外に狭い山頂は木に囲まれていて展望なし。
風裏で一休みしたものの寒くて落ち着けなかった。
雪の回廊はほぼ2kmに渡り連なっていた。
気温が低く雪が締まって比較的歩きやすかったので山頂まで辿り着けたのだろうと思った。
復路では青空も多くなり天空の雪回廊がより浮かび上がってくる。
回廊を戻ってゆく
天空へ続く雪回廊を戻る
黒滝山まで戻ってきた。朝は見えなかった那須塩原の街を俯瞰できた。
満足感に浸りながら念願を果たし無事登山口へ。
青空でも終始小雪が舞っていた気温の低い一日だった。
表面は軽く、その下は締まった雪、こんな好条件だったから大佐飛山まで辿り着くことが出来たのだろう。
誰にも逢うこともなかったが、翌日の土曜日は天気もよく10人ほどが入った事をNETで見た。
翌日の八溝山山頂から見た大佐飛山方面
明日登る予定の八溝山遠望
下山後、南側から見た那須岳
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