2020年08月25日~27日  北海道帯広市拓成町戸蔦別川ゲートから支流のエサオマントッタベツ川でエサオマントッタベツ岳へピストン
 メ ン バ ー  単独
行    程  8/25=スタート地点7;50~びれい橋8:22~砂防ダム雨量観測計8:37~エサオマントッタベツ林道入口8:55
     ~(迷いロスと休憩40分)~入渓地点10:03~山スキー沢(幕営)13:10
   計 11.5km 5時間20分(休憩約40分含)   行程の上り累積標高 約480m
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 8/26=幕営地点4:30~6:40北西カール7:00~札内岳JP8:00~8:50エサオマントッタベツ岳9:15~札内岳JP~
     ~10:58北西カール11:03~幕営地点13:25
   計 7.5km 8時間55分(休憩約60分含)   行程の上り累積標高 約1000m
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 8/27=幕営地点5:30~8:40入渓地点8:50~エサオマントッタベツ林道入口9:35~砂防ダム雨量観測計9:50~
     ~びれい橋~スタート地点10:40
    計 11.5km 5時間10分(休憩約20分含)   行程の上り累積標高 約0m
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    合計 30.5km 19時間25分(休憩 約2時間含)   全行程の上り累積標高
 
約1480m
山    名  エサオマントッタベツ岳(1902m)
天    候  晴れ


残り2座となった日本三百高山は日高山脈の札内岳とエサオマントッタベツ岳(以後エサオマンに省略)
2年前にピリカペタヌ沢から札内岳、エサオマンへと縦走するつもりだったが不運にもピリカペタヌ沢で沢靴が剥がれて撤退した。
今回は林道の復旧が進み、少し奥まで入れるようになり、エサオマン側から登るつもりだ。
ところが先日の1967峰でのハイ松漕ぎで膝の具合が悪くなり不安が深まる。
そんな訳でエサオマンへ登った後、ハイ松漕ぎでの札内岳へのピストンは取りやめてエサオマンだけに変更した。
エサオマンだけならば2日間で良いかもしれないが無理せず3日間を予定した。





【 2020年8月25日 林道駐車地から山スキー沢分岐の幕営地点 】

中札内の道の駅で車中泊した朝エサオマントッタベツ岳へ。
2年前のトッタベツ林道は奥へ7kmも復旧していた。残りの5kmも復旧工事は進むのだろう。
復旧はいていないがこの先1kmは傷みの少なかった道を進めた。
今回の出発点が此処だ。勿論この情報が今回のエサオマントッタベツ沢側からの決め手となった。
即ち拓成橋の袂からダート道を12km入った所だった。車は一台もない。
カールまで荷を持ちあげるのも厳しいとの想いで、山スキー沢分岐へテントを張り山頂ピストンだ。
林道歩きの後は殆どが沢ということで沢靴で3日間を通す。テントでのサンダルだけ持参した。



先ずは林道の残り4kmを歩く。いきなり林道は刳ぎ取られていた。同じ様なところも何か所かあった。
草茫々の林道跡は背丈の高い笹も被って来る。時々元の林道の雰囲気が戻ったりを繰り返す。
乾いたヒグマの大きな糞が道の真ん中に落ちていた。
4km歩いた後は元々廃道化していたエサオマン沢に沿った林道跡。林道跡とは名ばかり、笹を分けて微かな踏み跡を進む。
沢が右に近づいたので、此処が入渓地点だろう。沢へ降り、暫く進むが何かが違う感じがした。
藪を右岸へ登ってみると其処には踏み跡が続いているではないか。



歩き始めの林道の様子
  びれい橋を渡る

びれい橋から見えた妙敷山
 
崩落した林道

 
ヒグマの落とし物

 
草茫々の林道跡
 

踏み跡が消えた入渓地点は、結局ガケノ沢の分岐の少し手前だった。此処からはエサオマン山頂が見えた。



少しロスしたけど、本来の入渓地点からチラッと山頂が見えていたのでモチは上がる。
単調な沢歩きだが水に入ると気持ちが良い。
防水の準備はしていないのでザックが水に濡れない程度の所を選んで登ってゆく。面倒だが時々藪へ逃げると踏み跡が有ったりする。
翌々日の下山時に判った事だが右岸には結構逃げ道があった。



山スキー沢合流点到着は、まだ昼過ぎだったけれど小さいスペースにテント設営した。
沢の音が大き過ぎて聞こえにくいとは思ったが熊除けにはホイッスル。何度か吹いた。焚火もした。
未だ明るいうちに寝てしまった様で夜中に何度も目が覚める。意外にも寒さを感じない。寒さ対策にと思って持参した衣類が余分なものになった様だ。





【 2020年8月26日 幕営地からエサオマントッタベツ岳へピストン 】

8月26日 足元が見える様になる4時半、気合を入れて出発だ。
沢歩きは岩の上が多いので膝への負担は大きく無理は出来ない。


 
 時々花に癒される
 

 

 
 
すこしずつ沢の傾斜がきつくなる。
標高1245地点では山頂も見える様になり、小さい滝を右から高巻く。

   愈々300mナメの登場。水量少なく乾いている岩は滑りやすい。
下山時は特に気を付けなければ危ない所だ。(見た目より傾斜がある)



程なく待ちに待ったカール。湧き出ている水が冷たくて美味い。
350mのカール壁は大迫力で迫っている。矢張り此処は別天地だがヒグマの棲家でも有るのだ。
が見渡しても姿は見当たらないので安心した。日中は昼寝でもしているのだろう。




休んだ後はこの壁を何処から登るかだ。灌木の中を登るルートが有るらしいが判らない。
沢型のガレを登って行った。不安定な岩が多いが何とかなるか?



ガレを登る途中から見るエサオマン


ピークまであと数十メートル程と思うが勾配が厳しくなって右の藪へ逃げた。
濃いハイ松を漕いで何とかジャンクションピークへ。


此処は日高の展望が十分出来る。目の前にエサオマンの立派な姿が迫っている。


南方面を見る脈々と連なる日高山脈が見通せた。


 ハイ松に跳ね返される道を山頂に向かう。窓から下を覗いてみた

  小さい山名板
 

もう近いな、と思っていたところへHioさんからカムイエクウチカウシ山の登頂報告が微弱電波の中に入って来た。
あと少しが中々濃いハイ松のブッシュだったが狭い山頂到〜着。自分も登頂報告で返信した。
小さい山名板には「エサオマントッタベツ岳」と縁取り文字で刻まれていた。




碧空に360度の展望だ。近い近い、そこに幌尻岳が、先日登った1967峰も。
南には鋭くカッコ良いカムイエクウチカウシ山だ。
恨めしいのは一番近くにカッコ良くみえる今回断念した札内岳だった。もう少し若い時に登っておくべきだった。
目標にしていた日本標高順300高山も札内岳1座を残してしまう結果になったが写真だけでもシッカリ撮っておこう。
しかし、果てしなく脈々と南へ連なった北海道唯一の山脈である日高山脈は本当に見応えがある。



札内岳ジャンクションPと登ったルート。左へ札内岳、右へカムエク、手前にエサオマンへのジャンクションとなっている。




登って来たガレは危険だから降るまいと札内JPを越えた所から降る。
暫くは灌木の中の踏み跡だったがあの急斜面のガレ場の上に出てしまった。
来てはいけない所だったが戻るのも面倒だった。
最初の20mをクリア出来れば何とかなるのかもと慎重に慎重に。沢靴は滑り易いので必死だった。
何とかカールへ降り着いたけど、失敗したルートだった。そのホッとした分、カールの湧水は本当に美味かった。

  

 癒しにはナナカマド
 
癒しの花

 

見納め、壮大なカール壁


ナメの下りは灌木を掴みながら安全に。ゆっくりペースでテントへ戻った。
  
 
 
 

傷んだ膝は沢で冷やし、陽射しが暑いうちに濡れ物を乾かした。
夜は満天の星、これ程ハッキリした銀河を観たのは久しぶりかもしれない。





【 2020年8月27日 幕営地点から林道駐車地 】

今日は下山するのみ。安全が1番なのでゆっくりペースだ。

  
入渓点へ戻ってひと休み


トリカブトも癒しになった


3日間誰にも会わなかったが、駐車地に近付いた頃、林道で測量調査の方たちと出逢い緊張していた気持ちが解け、
挨拶するのも嬉しい気持ちになった。
林道には初日見なかった新鮮なヒグマの糞が大量(牛の量と同じ位)にあった。
自分が入山中にもうろついていたと思うとゾッとした。

目論見より厳しかったかも知れないエサオマントッタベツ岳。カールから上部が厳しいのでカムエクより少し難易度が高いと思った。

今日は剣山へ登っていたHioさんと温泉(帯広のオベリベリ温泉 水光園)で合流し、先日のサホロ湖キャンプ場で祝杯。
サッポロクラシックビールの美味いことこの上ない。本州でも是非販売してほしいものです



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