地図とルート図詳細
神仙平について
エアリア5万図(昭文社1994年版)では標高1250mあたりに表示がありますが、ここは比較的平らな深い森です。
その上の1400m付近にある平らな草原を私は神仙平(神仏平)としてここには記しています。
展 望 図 |
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5日前に神仙平から奥駈道へのルートを求めて、森の中を探しまわった。しかし途中までのテープを見つけたものの、このテープは誰かが、
私と同じようにテープを付けながら道を探って途中で引き返し、テープを回収せずに付け忘れたものと思える。その先に踏み後やテープは
なかった。それ以外ルートらしきものも全く見つからなかった。涸れ沢を突き上げるしかない、との答えを持って帰り、今回再度試みる。
朝、同行のひがやんと待ち合わせ、一台の車で家を4時50分に出発。169号大塔村宇井6時15分。ここから東に折れて篠原林道を約一時間、
七面山登山口手前に駐車。
7時25分出発準備完了。少し肌寒い、ストックが邪魔になりそうだが下り道の事を頭に入れ、一応持って歩くことにする。
林道は奥に向かってヘアピンカーブで下り、モチ田谷を横切り左下に材木搬送用ヘリポートを見ながら大きく左へカーブする。
今度は少しずつ高度を上げながら右へ左へ、また右へ曲がると林道は崩れ落ちていて、迂回しながら草生した林道へ戻る。
まもなく右手の谷から崩れ落ちた岩のゴツゴツした沢に出る。この七面谷の涸れ沢の岩に腰掛けて一休み。林道は押し流されたのだろうか消えている。
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七面谷で |
沢を渡ると薄暗い林道が残っていて、右手に七面山登山口の道標があるが、ピンクのリボンも100m先まで、ここは今は通行出来ない。
次第に林道はなくなり、ガレ場を通り過ぎると沢に出る。水は流れていない。この沢をまっすぐに上り詰めればどこかに神仙平と思える
場所が見つかる筈なのだが。
大きな岩の転がる涸れ沢は調子よく高度を稼げて面白い。右岸に大きな谷が合流しているが、そのままやや右手にカーブする谷を進む。
標高1300mのところで右手向こうに草地が見えてきた。沢を離れ僅かの藪を越えると辺りがパ〜っと開けた。
斜面ではあるが広い草原状の気持ち良い場所だ。もっと上には確か平坦地がある筈なのだが・・・・・・。
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此処から右の谷へ |
草地へ出る |
ありました、ありました。標高1400m、恰好の展望台が。幅は広いところで15m、長さは30〜40m位。南の方にも広いところがあり、
私には一面が草地の楽園に思える。「素晴らしいところですね〜」とひがやんも感激している。夏のような日差しが照りつけていたが、
木陰に入るとひんやりとした風が心地よい。見下ろすと深〜い地獄谷が、北には明星ヶ岳への尾根、南に七面の尾根が奥駈道へと繋がっている。
やはり憧れていた通りの素晴らしい場所だ。
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木陰でくつろぐ |
明星ヶ岳へ繋がる尾根 |
さてここから奥駈道へどこから登ろうか・・・・・・。
辺りの地形を見渡す。
「ひがや〜ん、やっぱりこのガレ谷を真っ直ぐ登るのが一番速いし、解りやすいから、これを登ろう〜」、
「ええ〜これを登るんですか〜」
「とにかくいこか〜」
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ガレ場を登りかける |
ガレ場を過ぎるとバイケイソウだらけ |
落石に気を付けながら、離れてゆっくり登ってゆく。150m程登ったところでヤブに入り、鹿の糞一杯の急な斜面を登り、
バイケイソウの葉が生い茂る平坦地に到着。少し登ると稜線に奥駈道が見えた。
「やっと着いた、着いた〜」
「着きましたな〜」
ひがやんも一月前に縦走したこの道には感慨深そうな面持ち。
奥駈道を少しだけ北へ歩き、”神仙平へ”の道標を探したが見当たらず引き返して少し南へ行った舟のタワへ。
奥駈道は今、一面のバイケイソウの葉、終わりかけたシロヤシオ、カエデやブナの葉の新緑が眩しい。
舟のタワの一段高いところで弁当を拡げる。ここは郭公ポイント、郭公さんのお気に入りのテント場なのだ。
東と西が開けて朝日、夕日がまともに見えそうだ。あまりにも心地良いのでネッコロがってみた。
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舟のタワにて |
舟のタワのシロヤシオ |
奥駈道を南へ少し行くと七面山遥拝石。ここから楊子ヶ森ピークの東の斜面を進んでゆく。地図とは違う事に気がつく。
2万五千図も5万図も西斜面を巻いているのだが、なぜだろうか?引き返して地図どおりのルートに入ってみる、道は無い、テープも無い、
微かに踏み跡らしきものがあり、七面方面に続く尾根に向かう。
地図上の分岐らしきところで赤いテープを発見。テープは七面山まで続く、七面山近くではバイケイソウがスズタケに変っていた。
東峰と西峰の鞍部に着く。リュックをデポして東峰山頂へピストンし西峰を踏みアケボノ平へ下る。
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アケボノ平より 右から釈迦ヶ岳、孔雀岳、仏生ヶ嶽、七面山の岩峰 |
午後も好天は続いて正面の釈迦ヶ岳から七面山までの大展望。昨年はガスで見ることが出来なかったので大満足です。
ひがやんも「いいですね〜」を連発。30分間もゆっくりしてしまった。
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アケボノ平にて |
七面尾のシャクナゲ |
西峰に戻り一般登山道へ。咲き始めたシャクナゲ、満開のシャクナゲ、終わりかけたシャクナゲのトンネルをくぐりながら一直線に登山口へ戻る。
帰りはいつもの夢の湯で汗を流し、ひがやんに運転をお願いして暗くなる前に大阪に到着。
やはり神仙平は素晴らしい楽園だった。しかも舟のタワ、アケボノ平を含め3つもの楽園を一日で廻れてひがやんも大喜び、最高の一日だった。
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