No,340 台高南部縦走 馬の鞍峰から大台ヶ原 大樹の森を行く |
初日 あちこちから集まった7人。大台ヶ原へ2台の車をデポして169号の大迫ダムへ集合。 ここから入之波温泉を通りダムに沿って上流へ。分岐の道を三の公川、馬の鞍峰登山口へ着く。地道だったところも舗装され沢の向こうには立派な建物まで出来ていた。つい最近出来た物のように思える。 (10時) 荷物の分担をして階段を上ってゆく。この階段も整備されている。しばらくで滝へ降りていく分岐があり、お気に入りの明神滝へ降りてみる。立派な滝壷を持ち、垂直に落ちてくる水量の多い迫力のある滝である。 出発時刻も遅かった。そこから少し登った所、カクシ平で昼食にする。 この辺りまではヤマヒルに遭遇する事もある。以前来たときにもやられているのだ。みんなに注意を促すがヤマヒルには慣れている者ばかりで余り気にもしていないようすだった。 郭公さんの靴に一匹見つける。自分も一応チェックをした。 ここからは登山道と言えどもあまり踏まれていなく判り難い沢を横切りながら登ってゆく。 沢から離れるとザレた急坂になり、速度も落ちる。上りきったところからは稜線沿いのブナ、ヒメシャラ、樅の大木の道。 後ろから来るN村さんから声が掛かった。 「DOPPOさんの足元の血はヒルじゃないですか?」 足元を見るとズボンに大きな血の海が出来ている。ズボンをめくり挙げるとソックスにヒルがしがみついている。 払いのけたがもう遅い。3箇所やられてしまった。 そのまま放って置いたのが良かったのか? 数日経っても気にもならなく、大した事も無い。どうやら余り傷に触らないほうが良いのだそうだ。 最後の急坂を登って馬の鞍峰に着いた。ここで台高の主稜に出合ったことになり、ここからが本来の縦走の始まりとなる。 三つ四つのピークを越えて水場のある幕営地、地池越に着く (16時) 水場方向へのテープも判りやすく付けてあった。豊富な水はキャンプにはありがたい。 夕食の献立はRINちゃんが用意してくれた松阪牛のスキヤキ。 ご飯は郭公さんが用意してくれた米をガスで炊く。なんとも豪勢だ。こんなテント泊は自分には考えた事も食べた事も無いのである。うす暗くなった静かな山の中にスキヤキの匂いが漂っていた。 疲れも吹っ飛ぶビールにスキヤキ・・・・・・満足しない訳が無いのであります。 2日目 前夜の雨は夜中に一旦止んでいたが、朝方には又小雨が降っていた。テントの中でパンをカジリ朝食にする。 鬱陶しい雨で1時間遅れて出発。雨が上がり2日目の長丁場が始まる。 小さなピークを何度となく繰り返し、次第に疲れも溜まってくる。 幸い若者M原さん、M田さん、N村さんのトリオが繰出す賑やかな声で少しは疲れも和らぐが、天気が悪く、右のほうに見える筈の大峰や白髭岳の姿も雲に覆われて見えない。 以前テントを張った事のある展望台で昼食にしようと思えど、行けども行けども辿り着かず。 二つ目の1194Mピークを越えたところで右下に見えたときは午後1時前。 ここで僅かに大台ヶ原方面や、白髭岳の山並みが見えていたのは幸いだった。 思い思いの食事を摂り、予定のテント場の大台辻に向けて笹ヤブの坂を下り切り、久しぶりに比較的平坦な道。 またまた急坂を登って杉又高。右に又下りガレの手前で休憩を入れる。 目的地までは、まだ4時間は掛かりそうだし、皆の足取りも重くなりかけている。予定を変更して手前の水場「引水サコ」までは何とか辿り着かねばならない。 もう朝から20回位はアップダウンしただろうか16時前に引水サコへ着き、心配していたテントスペースも確保出来た。 少し下った水場に集まって炊事係の飯炊きが始まる。RINちゃん特製ドンブリで皆ご機嫌。 暗くなり食事が終わった頃本降りの雨になる。 そしてテントで宴会が始まる。 豪快な飲みっぷりをしていたRINちゃんは小用に出たまま沢の方で喚いている。 『お〜い片方の靴がわからへんね〜ん』 とか聞こえてくる。 『始めっから片方しか履いて出てへんやろ〜』と言っても、どうやら通じていないようだった。 3日目 小雨の朝。 最終日の行動予定は半日である。残り少ない行程に余裕が出来たのか、皆ゆっくりと起きる。 昨夜炊いたご飯もたっぷりある。普段の倍ほども腹に入れた。 雨が止み、明るい空も見えてきたが、いきなりの急登は結構キツい。岩場を越えて広い尾根道になる。 ここはブナの原生林、大樹の森は添谷山に拡がっていて、奥駈道にも似た雰囲気がする。 笹のブッシュを越えて下り切ると大台辻。 ここでやっと山から抜け出た感じがした。大きな道標、広い道、何となく人の気配を感じる。 そのあとは川上辻まで約2時間のハイキングコースを楽しみ、握手で最後を締めくくりました。 久しぶりに深い味わいのある山歩きでした。 同行の郭公さんのページ どんかっちょさんのアルバム 表紙へ 戻る |