No,346 弥山川の紅葉
双門の滝
(大峰北部)

双門滝

2002年10月27日  日帰り
メンバー  どんかっちょ、DOPPO    計2名   
行程  熊渡から白川八丁林道終点(前夜テント泊)〜一の滝〜双門滝、滝見平〜河原小屋〜狼平
 〜川合道分岐〜尾根道〜白川八丁林道終点
天候  曇り

紅葉前線を行く、第3弾
七面山から帰ったばかり、風呂に浸かり、夕食を済ませて出かける。DONさんを駅でピックアップして天川へ車で走る。真っ暗なミタライ渓谷を過ぎると熊渡は近い。橋を渡ってガタガタの林道を弥山川沿いに登って白川八丁への下り口で車を止めた。暗闇の中に一台の車が止まっていたが、誰も車の中にはいない様子だった。平坦な場所にテントを張って少しばかり飲んで寝た(23:00)。

まだ暗いが予定の5時起床。薄明るくなった頃出発(5:50)。
白川八丁のゴロゴロした河原歩きは渡渉も無く、ガマ滝の前で終わり、右岸の山道に入る。空には雲、色づいた木もこの時間では鮮やかさもイマイチである。時々行く手に切り立った峰が見えてくるが、灰色がかって見えるのは雨が降っていることを予感する。

左岸へ渡り、水量の少ない岩のヘツリは難なく過ぎて攀じ登ったところで一の滝の前に出た(6:50)。



岩のテラスでDONさんは写真を撮りまくる。この辺りで少し紅葉の鮮やかさが増してきた。
つり橋から見る沢の景観は見事なものだ。



つり橋を渡って愈々急登が始まる。
木の根っこを掴み、急な鉄バシゴでぐんぐん高度は稼げるが、足にも負担が架かりだす頃、周りに岩壁が見えてきて展望が開けてくる。
見下ろすと歩いてきた白川八丁が、北東には雪を頂いた稲村ヶ岳が見える。

  

クサリや木の根っこで攀じ登り、かなりの高度を感じる頃平坦な道に成り、階段を下ると双門滝の音がゴウゴウと聞こえてきた。
滝見平では又してもDONさんは写真を撮りまくっている(7:45〜7:55)。

  

気温が低いのか、汗が引くと寒くなってきた。ブルブル震えて長居は出来ないので出発する。

滝見平からは、また急な坂道を、ハシゴを登って右の展望台へ。
此処はひと息入れるには絶好の場所、暫し展望を楽しむ。
ザンギ平の肩へ近づくと雨が、いや白いものもチラホラと降ってきた。白いものは雪ではなく霰の様であった。
雨具をつけて新しく付けられた階段を下ってゆく。向こうの右下の沢には幅の広い三鈷滝がドウドウと流れを落として見える。
沢に近づきながら紅葉の中を奥へと進む。何回か右へ左へと沢を渡ると、左に河原小屋が現れた。



(9:20〜9:45)
外は寒いので誰も居ない小屋の中で軽く腹ごしらえをする。『外がいいな〜』と言っていたDONさんも寒くなったのか、中に入ってきた。

暫くしたとき1人の青年が小屋の外に立っていた。そして中に入ってきた。
この青年は川合から登り途中でテントを張り、朝からテープ頼りに、ここが狼平と思って下って来たと言っていた。
ここが河原小屋だと聞いてショックを受けている。
青年は山への初心者、大普賢から山上ヶ岳を越えて洞川へ下る予定だと話している。
何れにせよ狼平へは行かねばならないので案内する事にした。彼は大きなザックが重いらしく、付いて歩くのが辛い様だった。沢の分岐でひと息入れる。
聖門滝の吊バシゴは重い荷物には辛いところ。ロープを出して大きなザックを吊り上げてやろうと、差し出したが、彼はこれを振り切り、最後の力を振り絞ってよじ登ってきた。
此処からは平坦な道、河原の岩を跳びながら吊橋の見える狼平へ着いた。

(11:00〜11:40)
外は寒い、小屋の中で昼食。彼のお湯で沸かしてもらったコーヒーが寒い身体には格別美味く思えた。
陽気な彼は辛かった事など何処へ行ってしまったのか、楽しく喋り捲っていた。計画は大幅に狂っている筈なのだが?

ここで彼と別れて、僕達は橋を渡って川合への下山道へと歩を進める。
頂仙岳の西側を巻き、緩やかに尾根を下ってゆく。落ち葉の絨毯がヒザにやさしく歩き易い。



この辺りから、山仲間Hioさんに送っていただいたGPSデータを元に熊渡への分岐テープを探す。

それらしきテープが見つかった。赤いテープは北に向って続いている。ドンドン下りだした。
ガレた斜面を下る。下を見下ろすと沢に向っていた。
次第に間違っているような不安を感じてきて、基本にかえり引き返す事にした。

このテープは沢屋サンたちがつけたテープだったのかもしれない。150mは下ってきたので、上り返すのは結構厳しかった。
ここで45分間のロス。

登山道に戻り、少し下り、東斜面を巻くところには確かな赤テープがあり、熊渡への分岐を確信した。
最初はテープを見逃しやすい所もあったが、次第にハッキリした道に変ってゆく。
尾根の道を隔てて、東側は植林の杉林。西側は色に染まった自然林が美しいところだ。鮮やかに色づいたカエデの前で休憩する。
木の間から雪の稲村ヶ岳や薄っすらと大普賢岳、右手には槍のように尖って見える行者還岳が見えていた。



対面の山が近づくと直ぐ林道の終点に着いた(14:15)。
同行のDONさん、お疲れ様でした。

後日あの青年が、その後どうしたのかが気になり、メールしました。
賢明にも、もとの川合へ下山したとの事で安心しました。
しかし彼は叉、翌週リベンジするそうです(^0^)
今度は、無事洞川へ下山する事を祈る!

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