一度だけ二上山から紀見峠まで歩いたことがあった。しかしその頃はその向こうの岩湧山までなんて考えた事もなかった。
GWのはっきりした予定が立たないこともあり、NET仲間がやろうといっていたテント泊にも手を挙げられず悶々と・・・・・。
軽い荷物で一日では出来ないものだろうか?地図を拡げ確認してみた。エスケープルートもたくさんあり、体力さえ維持できれば何とかなるのかな?
そう感じると直ぐに準備に取り掛かり早めに就寝。
午前2時起床。
もう一度持ち物を確認。そうだ靴下の履き替えが要るかも! エアーサロンパスも、などなどである。
3時
当麻寺道の駅に駐車して暗い民家の路地を抜け、釣り池の脇を過ぎると山道になる。自分のヘッドランプだけが光っている。薄気味が悪いが早足でお寺の横を抜けてゆく。
山の上のほうで犬の鳴き声が響き、不安を感じながら歩いていた。どんどん近づいて分かったのだが、カエルが沢の近くで鳴いてコダマしていたようだった。胸を撫で下ろしながら馬の背に着く。3:40
馬の背
雌岳を踏まず暗い桜並木の山腹を通り岩屋峠を経由して竹之内峠へ下る。峠の道はGWの最中だから車は多かった。こんな夜中にヘッドランプを付けて渡る姿を見て、車を運転している人はどう思ったのだろうか、想像してみたりもした。4:00
竹之内峠
平石峠手前のピークで空が白んでくる。
4:42平石峠着
少しずつ明るくなってきた道は、ヘッドランプを外して、長袖シャツを脱ぎTシャツ一枚で岩橋山へ。この辺りから足元の不安もなくなり坂道では調子が出てきた。
5:19 岩橋山着
岩橋山
5:51 持尾辻着
おにぎり一個食べる。このあと何処で何を食べたのかは忘れてしまった。いずれにしてもシャリバテにならないように早めに少しづつ食べたように思う。
6:38 嫌な階段をいくつか過ぎるとブナ林が現れ、朝日に輝く黄色い花が目の前に。こういう嬉しいときは必ずカメラを向けてしまうものだ。
携帯の電源を入れ、メールを受信してみる。同じコースを行く金剛山でテン泊中の重装備隊が既に出発するという内容であった。
葛城のブナ林にて
6:50 葛城山の売店前に到着。
誰もいない、自動販売機で冷たい150円の缶コーヒーを買う。小銭が無かったので千円札を入れる。お釣にしてはやけに多いではないか、一度につかめないほどの小銭がある。500円玉も一つ混じっている、数えてみると1650円。(内緒に!)
嬉しい様な、後ろめたい様な・・・・・・でもルンルンの気分でツツジ園の方へ歩く。
八重桜の向こうに今にも開きそうなツツジが一面に広がっていた。今日も見物の人で埋まるのだろうと思いながらその中を下ってゆく。
葛城山
7:36 水越峠
暫く歩いていなかったここからの金剛山への道は地道からコンクリートの道に変っていた。
この時刻にも拘わらず下ってくる人に何人か出合った。山菜取りから帰ってきた人かも知れない。
分岐のアズマ屋に着くと金剛山でテント泊したと思える重装備の高校生らしき団体が下りてきた。一言、二言話して、水分を補給し、2、3分の休憩で出発。
9:13 金剛山ダイトレ分岐
金剛山
前を行く重装備隊のメールを見る。『只今神福山8:32』
最早追い付くには無理かな?最終には何とか皆の顔も見なくては! と密かに思ったが、足がツッてきた。腰を下ろしエアーサロンパスを振りまくる。
10:05 気持ち良い中葛城山を通過。
中葛城山
10:35 千早峠着 多くの団体と会うが素通りする。
長い階段をくだり切り、ひたすら紀見峠へ。
12:30 紀見峠着
ここでどうしたのかデジカメが働かなくなってしまう。
時間は充分あるものの、流石に足が衰え初めたことを感じる。何度もエアーサロンパスを振り掛ける。
造林小屋の手前で2人連れに会う。先行隊のことを聞くと、どうやら20分位先を歩いていることが覗えた。
いずれにせよ先行隊は3合目の広場で必ず大休憩をすることだろうし、そこで追い付けるかも知れないと思った。しかし長い階段は辛い苦しい。
何度か立ち止まりながら尾根に登り切る。
緩やかになった道の向こうに・・・・・・・・・やっと見えました。
どんさんらしきメガネをかけた姿が見える。首を左右に動かして木の間から見慣れた何人かの姿を確認。間違いなく先行隊だった。
『オーイ』と大きな声で二度、三度。
向こうからも『オオー』っと・・・・・・嬉しかったな、この瞬間。ホントに嬉しかった。
この瞬間を目標にして歩いて来たものだった。そうでもなければ、ここまで来る気力も無かったかもしれない。
ここからは先行の重装備隊と同行し、岩湧山頂では、微かに浮かぶ二上、葛城、金剛の山を振り返り満足感に浸りました。
17:00 新緑の滝畑へ下山。
売店のシャッターは閉まったばかり。事務所の人にお願いして、裏から中に入れてもらい、ビールを買う事が出来た。
喉から手が出るほど待ち焦がれていた冷たいビール。これが最高、フラフラになった身体もこれでまた蘇る。
バスに揺られて河内長野駅へ。そしてここで反省会、懲りないんです。
|