釈迦ヶ岳展望(古田の森より)
 2005年2月26日  日帰り
 メ ン バ ー  郭公さん、タンタンさん、DOPPO 
行    程  宇無の川分岐〜林道〜釈迦ヶ岳登山口〜不動小屋山尾根〜古田の森〜千丈平〜釈迦ヶ岳〜
 千丈平〜古田の森〜釈迦ヶ岳登山口
山    名  釈迦ヶ岳(1800m)
天    候  晴れ

辿ったルート
大天井ヶ岳から始まった厳冬期の大峰。
当初、八経ヶ岳をやれば「もういいや」って思っていたが、大普賢もやりたいな」な〜〜んて思ってしまい急遽大普賢にも突撃した。
ところが大普賢からの下山時、タンタン氏はこんなことを言った。
「DOPPOさん来週は何処ですか」って
その言葉に乗ってしまい、ツイツイ出た言葉が
「そら〜、大峰の方程式では次は釈迦ヶ岳だよ」
「旭からですか?」
「旭からは普通だろう〜、釈迦は当然、前鬼からだよ〜〜」
行く気もないのに、そんな言葉を口走ってしまい、言った以上は行くしかないのかな? と。

週末が迫ってきた。
前鬼から・・・・あの長い林道の状況がつかめていない。昨年の台風以来かなり荒れている事も予想される。太古の辻までは、冬には危険な箇所もあるし、どうしたものかなと!!!

やはり安全策をとり、普通に旭から行くことにした。それでも、天気予報によれば、気温が下がり寒波到来である。そして長い旭林道の凍結の不安が頭を掠めていた。
とにかく行って見なければ分からないのだ。

「そうだ」、以前から狙っていた不動小屋山から古田の森経由で登ってやろうか、これなら普通じゃないだろうし。変化があって良いかも知れない・・・・・と。

そんな理由でとうとう二月厳冬期大峰4連荘ということになってしまった。

崩落箇所
早朝の道路凍結を避けて前日の夕方に現地に入り、林道の凍結状況の調査をする。
このまま降雪が続けば、翌朝は旭ダムから長い林道を歩かねばならない。
その場合は山頂まで到着するには、時間的に無理があるのだ。
いずれにせよ朝起きてから考えるしかない。
そんな事は忘れてダム脇のシェルターへテントを設営して小宴会へ突入した。
10時ごろ就寝。

朝5時前、外に出てみる。
ちらちらと粉雪が舞っていたが、大したことは無いようだ。
もう一度シュラフにもぐりこむ。

旭の登山口まで2km
5時過ぎにタンタン氏の目覚ましが鳴った。
誰も起きようとはしない。寒いのか?いや違うようだ。
凍結していると思える林道歩きを拒み、シュラフの中で抵抗している自分がいた。多分横に寝ている二人もそうに違いと思った。
意を決して『起きよう〜〜』と号令をかける。
覚悟を決めたのか二人もシュラフから出た。
外の路面を確かめる。うっすらとしか雪は積もっていなかったがツルツルして硬かった。

無理をするとやばいかもしれないな、と感じた。
コンロに火をつけ暖かい物で食事を済ませ出発の準備をした。
見た目より路面は凍っていなかった。前夜確認した宇無の川分岐まで車は入れた。登山口まで5kmの地点。

(7:00)
旭登山口まで5キロの林道歩きからスタートだ。
そのときは、半ば山頂登頂は諦めたかのような自分だったかもしれない。
林道歩き20分ほどのところ、崖が崩れて岩が道路を塞いでいた。
(7:50) 不動小屋橋=釈迦ヶ岳登山口まで2kmの表示
(8:30) 旭登山口 積雪20cm

ここからは未踏のルートだ。
沢を渡り北方向へ山腹を巻く。

ヤブコギ突入
少しづつ雪は深くなる。彼らはズボ足で進む、私はワカンを履き次の沢を渡り、その次の沢の直登に進路をとる。
4つんばいで上りきったところで鹿の足跡に進路を見つけたが大ヤブに突入することになってしまった。暫くは笹ヤブとの格闘に時間を費やし、免れたと思ったらシャクナゲの木に阻まれ、右往左往のアスレチック歩行が続く。
体力を消耗したところでひとつのピークに立ち、白く霞んだ釈迦ヶ岳を仰ぐ。(10:05)

もう一度シャクナゲとの格闘を終えたところで開けた斜面にでた。
そこは右も左も真っ白な世界、感動の涙さえ溢れんばかりの樹氷の海。(10:50〜11:00)
不動小屋山尾根のアルバム


ヤブの斜面

見上げる古田の森は、ひと登りで届くところまで来ている。

ここで郭公さんがカメラを落としたことに気づき、探しに下っていった。暫く写真撮影で暇つぶしをしていたら、意外にも、早く見つけて戻ってきた。

釈迦が現れる
新雪は深く、ワカンをも膝まで沈める。標高差100mをあえぎ上り古田の森に辿りつく。(11:25)

大日が見える、そして釈迦ヶ岳も随分近付いてきた。

釈迦をバックに

大日山
ラッセルを繰り返し、静まり返る千丈平へ。(12:00〜12:20)
いつもの面影は無く、ベンチや椅子も雪に埋もれていた。
腹ペコで体力が続かず、風下の木陰で昼食とした。

千丈平
更に深い雪を山頂めがけて無心で登る。

山頂直下で深仙の宿方面からの単独者と思えるトレースを見る。
本日始めて見たトレースだったが既に山頂を終えて下った様子だった。
その先に見えたのは・・・・『おお〜釈迦像〜とうとう来たぞ〜』
ちょうどその頃から周りの山が青空の下に白く輝きだしていた。
(13:00〜13:20)

初めて見る真冬の釈迦ヶ岳からの大展望だ。
孔雀から仏生へそして楊子ヶ森から七面へと続く白い山々。

6時間掛けて登ってきた来たこの展望を存分に味わえた。
これこそが今年の大峰の冬のクライマックスだ・・・・・そして此処でしっかりこの景色を目に焼き付けて、この冬の幕を閉じてもよいとも思った。

釈迦ヶ岳山頂付近のアルバム
 山頂から孔雀岳、仏生ヶ岳、楊子ヶ森方面
下りはいつものコースを旭登山口へ

林道歩きで振りかえる大峰の稜線は一際気高く見えた。


登山口にて   うしろに真っ白の稜線が光る
(参考タイム)
宇無ノ川方面林道分岐7:00〜釈迦ヶ岳旭登山口8:30〜不動小屋山尾根9:30〜古田の森直下の開けた場所11:00〜古田の森11:25
〜千丈平12:00-12:20〜釈迦ヶ岳山頂13:00−13:20〜釈迦ヶ岳旭登山口15:40〜宇無ノ川方面林道分岐16:40
同行の郭公さんの報告