2005年10月22日  日帰り
 メ ン バ ー  単独 
行    程  車止ゲート駐車場〜シオジ平〜中小川コース登山口〜乙女の滝〜カモシカ落し〜飛竜の滝展望台〜
 最後の水場〜尾根分岐 〜南越百山ピストン〜越百山ピストン  ピストンで車止ゲート駐車場
山    名  越百山(2613m)南越百山(2569m)
天    候  曇り、午後から小雨


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移り変わりの激しい秋の天気に惑わされながら、夕食を済ませて決断した行く先がここだった。
木曽側からは2度登っているものの、伊那側からは初めて、しかも地元では難路として名高いそうだ。

体調は今ひとつだったが、奮発して高額ドリンクを注入。
高速中央道のSAで1時間ほど仮眠して松川ICを降りて飯島町へ。
真夜中であったが行く先は道路標識でよく確認できる。
シオジ平を目指した林道は途中で通行止めとなっていた。
その場所は、駐車場のあるダム工事事務所の広場。
他に車は一台もなかった
。再び夜明けまで睡眠をとる。

太郎平から薬師沢へ下りかける
朝6時15分、林道歩きから始まる。
遥か右下に沢を見ながら、30分ほど歩いたころだった。
左の山側の谷でガラガラっと音がする。
ハッと目を向けると熊だ!!!
約15m程の距離だったが、私の鈴の音に気が付いたらしく、上のほうに勢い良く駆け上がって行き、熊は50m程離れた小高い所からこちらを振り返った。
私はすぐさま熊から目を反らし何事も無かった様な素振りで歩き去り、暫くしてから胸を撫で下ろした。
熊のほうが先に気がついてくれて良かったのかもしれない。こちらが先に気が付いていたならば慌てて熊を刺激していたかも知れないのだ。最近一人歩きするときには、大き目の熊除鈴を携行しているのが功を奏したのかもしれない。

正面に雲の平がガスに煙っている
歩き始めて1時間程で登山口に到着。
ここからは嫌な道であった。熊に遭遇した後の笹薮漕ぎなのだ。少し色付いたカラマツ林を大きく鈴を鳴らしながらゆっくりと進む。
朝露でズボンも濡れる。




30分もすると左に幾つか滝が見え、右岸に岩壁も迫る。
← 乙女の滝


丸木のハシゴを幾つか登ると、右手上から落ちる乙女の滝の横に出る。

どっちへ進むのかな?
と思って下を見ると鎖が下に伸びている。

10mほど鎖で下り滝の中腹を横切る。
この滝は水が少ないので問題は無かったが、水量が増えたならば危険な所だろう。


←滝の中段への鎖

上り返しは鎖に頼らなくても何とか・・・・・・
でもあと僅かのところで鎖に頼ってしまった。
乙女の滝を横切り、少し登ると左に相生の滝が上から覗き込むように見える。

私を追い抜いて行った単独者はその上を渡渉する所で沢にハマリ滑っていたが立ち直って進んでいった。

私はそれを見て少し安全な場所を探し、辛うじて片足だけ浸かっただけで渡れた。
右岸に渡り、暫くして鎖のある岩場辺りからこのコースの核心部へ突入した。

怪しい丸木のハシゴが続く
ガレ場を登ると壁になり、垂直に近い壁には丸木のハシゴがジグザグに付けられている。登りはよいが下りは嫌なところだった。

ここを登ってカモシカ落し。
カモシカ落しは足元がスカスカした水平の腐りかけた丸木ハシゴ。

この先は谷底が見える展望の良い場所。

左へ曲がると又もや岩壁。ここはザレているので注意が必要な所だった。滑れば谷底までいってしまう。
壁に沿うように鎖が付けられていた。

その上は再びハシゴをよじ登り、登りきったところで左へ回り込むと正面に飛竜の滝が目に飛び込む。
周りの紅葉に溶け込んで実に素晴らしい景観。

この辺がこのコースのハイライトなのだろう。
山の色付きもちょうど良かった。
暫く平坦な沢を登るが、次第に勾配は厳しくなり、美しい小滝が続いた。

滝を巻きながら登り、滝の落ち口を横切るところが最後の水場だった。(標高2350m)





やや平坦な道を右に進むと、旧越百小屋跡だった。
ここから左へ曲がり笹薮漕ぎの急坂は厳しかった。
何度も立ち止まりながら、尾根の分岐へ着いた。

先行の単独者は速かった、既に山頂を踏んで急いで下ってきたらしい。
持ち合わせの衣類が少なく、あまりの寒さが堪えたらしい

二言三言言葉を交わして別れた。
分岐へザックを置き、笹薮の中を南越百山へ。
強風の山頂は真っ白だった。ハイマツも霧氷で白くなっている。
カメラにも収まらないほどのガスで、展望などはとんでもない状況だった。

分岐に戻り越百山へピストン。
いつもは多い人気の山も、流石にこの天候なので、1人もいなかった。


←真っ白で写真にも収まらなかった越百山山頂
下り始めると雨がぱらついてきた。
次第に多くなってきたので、沢の増水が気に掛かる。

ビバークや、色んなことを想定しながら下る。
急がねばと・・・・・、しかし急げば危険が増大。
そんな思いも一時間ほどだった。
雨は小降りになって,下まで降りると空は随分明るくなり、カラマツの色付きも一段と鮮やかに見えた。
鎖と針金、ロープ、ボルト、丸木のハシゴなどが続き、滝が連続する変化に富んだコースだった。
道標は充分すぎる程あり、コースを外すことは無い。
天気が良ければ最高、しかし雨で増水すれば渡渉出来なくなる場所もあり、的確な判断を要求される。
 (参考タイム)
 
車止ゲート駐車場6:15〜登山口7:10〜乙女の滝8:10〜カモシカ落し9:05〜飛流の滝展望台9:15〜尾根分岐11:20
 〜南越百山11:35
越百山12:00 〜尾根分岐12:20〜カモシカ落し13:50〜乙女の滝15:00〜登山口15:45〜車止ゲート駐車場16:30