赤牛岳
 2008年8月1~3日  小屋2泊(奥黒部ヒュッテ、水晶小屋) 
 メ ン バ ー  RIN、タンタン、こごせ、DOPPO
行    程  8/1 扇沢=トロリーバスで黒部ダム~平ノ小屋=渡し船~奥黒部ヒュッテ
 8/2 奥黒部ヒュッテ~読売新道~鎖場~P2578~赤牛岳~温泉沢の頭~水晶岳~水晶小屋
 8/3 水晶小屋~東沢乗越~真砂分岐~南真砂岳~湯俣岳~晴嵐荘~高瀬ダム==タクシー==扇沢
山    名  赤牛岳(2864.2m)、水晶岳(2977.7m)、南真砂岳(2713m)、湯俣岳(2378.7m)
天    候  8/1=晴れ 8/2日=晴のち曇り 8/3日=晴れ 
予ねてから念願の赤牛岳は一日では到底入りづらい場所にある。しかも読売新道は水場が無いということで覚悟もいる。
赤牛岳から一番近い小屋は水晶小屋か高天原山荘、近いとはいえ3時間は掛かるようだ。

よくNETでは下りに使うルートとして載ってはいるが、自分としては登って味わいたいルートとしてインプットしていた。
単独計画をしていたが、Tさん、Rさん、Kさんも同行希望があり、4人での山行となる。
                                今回の行程図
                             
【1日目】
行程 黒部ダム駅~平ノ小屋・渡舟~奥黒部ヒュッテ
朝6時の扇沢のターミナルは人も疎ら。クロヨンダムへのトロリーバスの始発は7時半。時間の経過と共に続々と人が増えてきた。
平ノ小屋からの渡舟の時刻は12時を予定していた。

行程時間を逆算すると8時までにダム駅を出発しなくてはならない。
7時半始発乗車は絶対条件。しっかり並んで待つことにした。

後で気づいた事だが、人数に合わせてトロリーの台数を
増やしているようなので、先を急いで並ぶ必要もなかった事になる。
観光客もいたが殆どは登山の客ばかり。その殆どはダムを渡ると立山方面へのロープウェイ乗り場へ消えて行く。
奥黒部へ歩くのは我々4人だけのようだ。


暫くは歩きやすい道が続く、大きく入り込んだ谷を渡る。
次第に山道らしくなると登下降が増え、長い階段も増える。
ダムに出っ張った所に平ノ小屋が見えてくる。
下には船着場も見える。

ここまで約3時間、予定より1時間ほど早く着いたのでゆっくり休憩が出来る。
日差しは容赦なく照りつけている。早速冷えたビールを注文した。
この小屋の管理人さんの奥さんだろうか、ビールの突き出しに出してくれた高野豆腐とフキが美味い。
小屋の裏手に回ると主人が作業をしていたが、わざわざ手を止めて『水晶小屋が見えるんですよ』と望遠鏡を持ってきて覗かせてくれる。

Kさんは野菜入りのラーメンを得意そうにススッて満足げにしている。

1時間ほどののんびり出来た。


渡し舟は定刻12時、小屋の主人が釣り糸を垂らして超スロー運転。
一匹のキラキラ光るニジマスを釣り上げた。
客の夕食のメニューにするらしい。
対岸に着くと階段が待っている。
激しい登り下りを繰り返す。
後ろを振り返ると立山と竜王岳が見えてくる。
この橋を渡ると奥黒部ヒュッテはもうそこだ。
初日の足慣らしとしてはちょうど良いくらいの歩きで奥黒部ヒュッテに着く。

外のテーブルでのんびりと宴会を始めるが、調子が上がりすぎて少々酔っ払ってしまう。皆が持ち合わせのアルコール類も底をついてしまい、小屋の夕食のメニューも覚えがない(^^)
風呂も設置されていた様だが朝まで全く知らなかった。


【2日目】
行程 奥黒部ヒュッテ~読売新道~赤牛岳~水晶岳~水晶小屋
4時出発。
樹林帯の中をヘッデンが足元を照らす。
Tさんはハイスピードでどんどん前を行くが、重い足取りになってきたRちゃんはわき腹が痛いらしく遅れがち。

一時間あまり歩き、鉄の足場が付けられた大きな岩を越えたところで簡単に朝食を摂る。東の空が明るくなり烏帽子岳のシルエットも望める。

鎖場を超えて潅木帯の中に階段状の木道が現れると、大きく北の展望が開け、立山方面が望める格好の休憩場所にでる(2200m付近)
ここではKさんがザックから出してくれたトマトが美味い。

立山と竜王岳

もう直ぐP2578、赤牛山頂も近づく。
歩きやすい潅木帯からはP2356、P2578が望め花も多くなってきた。
念願だった赤牛山頂にて記念ショット。
わき腹を押さえていたRちゃんもいつの間にか復活している。
何といっても北アルプスのど真ん中
山頂からの展望は360度のパノラマ。
水晶の左奥には槍、穂高。
右には雲の平を隔てて、笠ヶ岳から黒部五郎が
大きく見えている。

時刻はちょうど9時だった。
予定より2時間早く着いたようだ。
昼食がてらの大休憩。
『この調子だと野口五郎小屋まで十分行けるな』
なんとなく決定していた。


快調な尾根歩き

笠と黒部五郎を見ながらの贅沢な歩き
水晶岳も迫ってくる


12時55分 水晶小屋へ
水晶岳山頂で一緒になった16名の集団が野口五郎小屋を目指した。
その集団と野口五郎小屋で一緒になるのを避けて水晶小屋にとどまる。

昨年は2度泊まった水晶小屋。
管理人のお姉さんは私の顔を覚えてくれていたのも嬉しい。

夕食までのなが~い時間は同じ大阪から来たという元クライマーのSさんとは山談義で盛りあがり、実は私たちとは大きな接点を持っている人だった。


【3日目】
行程 水晶小屋~竹村新道~高瀬ダム
3日目の行程の楽しみは竹村新道と南真砂岳。
水晶、野口五郎間を繋ぎたいというTさん、RINチャンには先に出発してもらい、Kさんと私は少し遅れてゆっくり歩くことにした。
野口五郎までは真砂岳分岐からピストンで1時間弱が増える。
南真砂岳あたり待っていれば追いついてくれる予定だ。


朝の水晶岳
東側から見る赤牛岳への稜線。

ここからが竹村新道

次回が楽しみな槍と北鎌尾根
強風に煽られながらやせ尾根の竹村新道はザレ場が多いが、風裏の北斜面に入ると車ユリとハクサンフウロのお花畑も広がる。
南真砂岳の後ろには大天井岳と槍が岳。

大きな野口五郎岳(右)と下ってきた真砂岳(左)
急な下りを繰り返す竹村新道も硫黄の匂いがしてくると
眼下に湯俣川が見えてくる。(展望台)






湯俣川と奥には北鎌尾根越しに槍の穂先が見える


晴嵐荘では缶ビールで乾杯。
念願叶った読売新道と竹村新道。全く雨にも遭わず晴天続きのラッキーな3日間だった。

残りの高瀬ダムまでの2時間あまりはオマケのようなものだった。

迎えにきてくれたかの様に偶然やって来たタクシーに飛び乗り扇沢へ戻る。
(高瀬ダム、扇沢間8000円也)



高瀬ダム越しに見る針ノ木岳

長い間抱いていた読売新道。
下から登ってこそ味わいのある赤牛岳だった。
 (参考タイム)
 8/1  扇沢=トロリーバスで黒部ダム7:50~10:55平ノ小屋12:00=渡し船12:20~14:20奥黒部ヒュッテ
 8/2 奥黒部ヒュッテ4:00~読売新道~6:402200m展望良7:05~7:45(P2578)8:00~9:00赤牛岳9:50~11:20温泉沢の頭11:30
    ~12:15水晶岳12:30~12:55水晶小屋
 8/3 水晶小屋4:45~東沢乗越~真砂分岐6:28~7:25南真砂岳7:50~湯俣岳8:20~10:00晴嵐荘10:20~高瀬ダム12:35
 タンタンさんの記録