林道から黒檜山をみる
 2011年05月3~5日  長野県伊那市 三峰川林道 熊沢出合にてテント2泊
 メ ン バ ー  タンタンさん、DOPPO
行    程  5/3=自転車と歩き  伊那市長谷杉島ゲート7:10ー10:10大曲ゲート10:35ー11:20塩見新道分岐11:50ー13:45熊沢出合(テント泊)
 5/4=登山日      テント6:10~沢渡る、熊沢出合尾根取付6:30~9:00P1870~P205
1~12:14山頂12:48    ピストン
                沢
17:15~17:35熊沢出合(テント泊)
 5/5=自転車と歩き  熊沢出合5:00ー塩見新道分岐ー7:00大曲ゲート7:10ー8:45杉島ゲート
山    名  黒檜山(2540.4m)
天    候  5/3=晴のち曇り、夕方から小雨 5/4=晴 5/5=晴
南アルプスにも登山者が余り訪れない山がある。標高2500m以上で私が登ってない山が幾つかある。
大唐松山、小日影山など一般ルートから外れていて、特に明確な登山道も無く敬遠されているようだ。
仙丈ヶ岳と塩見岳を直線で結んだ丁度まん中にある黒檜山もそうなのである。

地形図的には仙塩尾根にある熊ノ平小屋から尾根伝いに行けそうでもあるが、下から登ってみたいのは誰しも同じ。
タンタンさんは昨年、今回のルートを試みたが車の林道閉鎖で断念して帰ってきた経緯が有り
今回はその25kmもある長い林道歩きの助けにと、チャリで計画したので、私もそれに乗った訳だ。

チャリは折りたたみの廉価なもの。どれだけ役立つかは判らないのは当然覚悟のうえだ。


北沢峠への基地となる戸台への分岐があるが、そのまま南へ下ると三峰川林道へは左へ折れる。




【1日目  5月3日】

杉島のゲート手前にスペースがあり、そこに車を駐車した。
自転車を担いでゲートを越えていざ出発です。
多少登りぎみでも舗装路で自転車は有効だ。

まだ3km、ここで舗装路が終わり、ダート道に変わると自転車を漕ぐには辛くなる。

偶に乗れる所も有るにはあったが殆どは押して歩く。

約3時間掛かって大曲のゲートに着いた。
以前は此処まで車が入れて、その先の塩見新道から塩見岳へ登れたが林道歩きがこれだけ長くなる事で塩見新道が廃道化するのかもしれない。
ここが塩見新道の取付き。
林道は北へ方向を変え、次第に荒れた道になり、チャリを諦めて駐車する。

チャリと別れて暫く、カーブを曲がるとき突然熊に遭った。
慌てて逃げ去ってくれてほっとしたが・・・・・
もし1人だったら、そう簡単に気を取り直せ無かっただろう。

約40分ほど歩くと発電所跡があり、何度も地形図照らし合わせ、熊沢出合と思える所は、そこから直ぐだった。

荒れた林道はその奥までずっと続いているようだ。


沢の周辺には平坦地が多く、幕営適地を探すに苦労は無かった。

日が暮れかける頃小雨が降り出し、酒盛りはテントの中に移動。
アルコールが底を突くころ眠ってしまったようだ。



【2日目  5月4日】

既に明るくなっていた5時起床。

出発前の準備が完了



沢の周辺は殆どが断崖になっている。僅かな隙間をぬって登ることになるが、兎に角、沢を渡らねばならない。
予備の靴下と沢用のスパッツで渡る。
水深は、ほぼ膝下だったが冷たさで足がしびれる。
濡れ物は河原に干して、唯一あったNET情報による取り付き場所を探す。



なんか踏み跡が有るような無いような所を登ってゆくと
薄っすらと杣道跡の獣道か・・・
足場が確保できれば良しとする。




岩壁にぶつかり右のザレ場をロープで確保して通過。
この後はかなりの急登だった。



やせ尾根


地形図的には、尾根は比較的傾斜も緩やかだと認識していたが、ヤブ山は簡単にはゆかない。


ハッキリした道は無く倒木やブッシュが多いが所々にテープがあり助かった。


仙丈ヶ岳が見えると心が和みます。

塩見岳もちらっと


標高が2200mを超えると足元の雪は凍結したところが増え、アイゼンを付けた。


標高2400m
腐った雪は腰まで嵌り、思いがけなくラッセル強いられるタンタンさん。
ここでは時間が掛かった。


取付きから6時間弱、やっとこさの山頂だった。
気分的に結構くたびれた割に、殆ど展望なし。
ただし、木の間越しに真っ白い北岳や間ノ岳が間近に見えて感動。



危険な下りは出来る限り安全にロープを使った。
時間が掛かり過ぎて引き続き幕営するも、前夜でのアルコール切れで寂しい夕食となる。


【3日目  5月5日】

自転車を置いた場所へ戻る



林道より塩見岳を見上げる


やっと大曲まで戻りホッとする。

下りは殆ど乗ったまま。



チャリの効果が出て4時間弱で戻ることが出来たが25kmの林道は実に長かった。
登山700回目の節目は、絶対忘れられない3日間の濃い山旅となった。