2012年07月20日~21日  枝折峠から避難小屋
 メ ン バ ー  単独
行    程  7/20 枝折峠4:40~明神峠5:05~5:55道行山分岐6:05~6:38小倉山6:52~百草の池7:25~8:30駒ノ小屋8:50
     ~9:08越後駒ヶ岳山頂9:15~10:10天狗平10:20
~撤退地点11:52~15:00駒ノ小屋(泊)
 7/21 駒ノ小屋5:00枝折峠8:15
山    名  越後駒ヶ岳(2002.7m)
天    候  7/20=曇りのち雨  7/21=雨


越後三山とは百名山の越後駒ヶ岳、この界隈最高峰の中ノ岳、岩峰群の霊山である八海山を指す。
この界隈の山を知らない私は昨年から越後駒ヶ岳に登ることしか考えていなかったのであるが、
地図を広げて見たり、情報を得るたびに中ノ岳や、八海山、隣の荒沢岳を知ることになり、この機会に越後三山縦走を計画。
タクシー使用の距離を幾らかでも節約しようと、下山予定の八海山の北麓、大倉に自転車をデポ。
枝折峠の駐車場で車中泊。
ただ、枝折峠へは魚沼からシルバーラインで一旦奥只見の銀山平へ入り、そこから戻るように枝折峠へ。
工事中でもあり、時間的な制約が有る所だ。
また雪や雨が多く天候の不安定な地域と聞いている。

結果その天候の変化で予定を覆えされ、中ノ岳手前で撤退をする事になってしまった。
たまたま入ったメールは山の知人Pさんから。長野県では今大雨の情報だ。
昨日から電波が繋がらず情報が取れていなかったので、直ぐにアクセスしてみる。
予報はこの地もこの後雨になる、明日も雨になるようだ。

一番厄介な翌日の中ノ岳から八海山への長い岩場のルート、鎖場も多そう。
雨に加えて鉄の鎖に雷は恐い、逃げ場が無いだろう。
エスケープルートとして使える筈の中ノ岳から十字峡へ下るルートも現在は閉鎖されている。
そんな理由が私を撤退に導いた。大げさなものでもないが、また来れば良いという事で納得するしか無かった。






1日目  720日】

前夜車中泊の枝折峠では高知のMさんと車を挟んで8時ゴロまで山談義で宴会。
こんな出逢いがあるので単独でも飽きないのだ。




朝の出発は4時半過ぎだった。夜中には星空を見たが、朝は曇り空。
尾根歩きなので見通しは良い。


十合目表示を過ぎると直ぐに明神峠。







左手雲海の中に荒沢岳が目立つ。
雪田もあった。



晴れ間も見えて駒ヶ岳の姿が現れる


小さいアップダウンを繰り返し小倉山。ここは駒の湯への分岐点。
ここまでの約2時間、大して標高を稼いでいなかったが、この辺りから少しづつ坂道になる。



堂々とした荒沢岳はやはりカッコよい


標高が1800m位から岩場が多くなる。
登山道に水の流れが出てくると登り切ったところが小屋だった。
小屋の前にはホースからふんだんに水が出ていた。

汗かいた後には格別に美味くいただける有難い水だ。
余った水が道に溢れていたのだ。




小屋の前のベンチで休んでいるとMさんが追いついて来た。
Mさんと一緒に山頂へ向かう。雪渓を通過すると直ぐに稜線。
右手に300m歩くと山頂。生憎ガスでなにも見えず。




分岐へ戻り、Mさんと別れて中ノ岳へ向かう。
ここまでとは明らかに登山道の状況は変わった。
稜線は広いが笹の道は足元が見えない。

暫くすると花が多くなる。

ヒメシャガ


ニッコウキスゲ


ハクサンフウロ


ウラジロヨウラク?


ハクサンチドリ


白のハクサンシャクナゲ


お花畑


花の道が終わるとドンドン下る。


細い踏みあとは草に隠れて見えにくく危険がいっぱい。
鞍部からは痩せ尾根とアップダウン。気の抜けない道が続く。

振り返ると駒ヶ岳が見えるか?

やはり山頂は雪渓から湧き上がるガスで見えない。

八海山へ下る途中の御月山が見えた


向かう中ノ岳と思えるピークはガスでいつも隠れている。あと一つピークを越えると中ノ岳か。
岩と木の根が絡んだ登り斜面、標高も1800mに差し掛かる頃、電波が通じメールが入った。
それがPさんからだったのである。

長野県南部では大雨で停滞中とかであった。
直ぐにこの地域の天気予報を確認した。予報は今夜は雨、明日も雨に。

もうすぐ中ノ岳の避難小屋だが、どうせ撤退なら今の内に安全な駒の小屋へ戻ろう。
モチベーションは完全に下がってしまった。しかし時間はある。


落ち着いて帰ろう。30分もしないうちに雨になる。雷も一つ。
急いで合羽を着るが幾らか濡れてしまった。




駒の小屋へ戻った時には靴の中はジュクジュク。
外にはテントが一つ。小屋には誰もいない。乾いた衣服に着替えて、やっと落ち着きが戻った。
名簿に記入し2000円をポストへ。
この状況の中で避難小屋は実に有難い。
雨が止んだ合間に外に出て夕暮れの山並みを眺めテントの住人と話を交わす。
ガスがきれてやっと山頂が見えた。







2日目  721

朝から雨が降ったり止んだりを繰り返している。
大粒の雨だったり、空が明るくなったりだ。

中ノ岳


そんな下山中にカメラを構え、折角の越後の山を楽しんだ。
時々姿を見せてくれた越後駒ヶ岳はやはり美しかった。
雪渓が谷を埋め、その緑と白のコントラストの美しさは北アルプスの3000m級の山に匹敵するかも。

左奥=兎岳  右=中ノ岳


左=中ノ岳    右=越後駒ヶ岳


銀山平で浸かった白銀の湯では、遠く駒の姿が見えた。

帰路、駒ヶ根で天気待ちのPさんとは北海道羊蹄山で出会って以来、一年振りの再会。翌日ゆっくり帰阪。
縦走は成し得なかったが、思い出多き山行となった。

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