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【 1日目 7月28日 】
前日の雨で入山を一日延期した。当日の朝ピョウタンの滝の横には車が並んでいた。
前日降り続いた雨が基準量を超えたらしく、ここピョウタンの滝ゲートから先は通行止となっていた。
パトロールの車が道路チェックから戻りゲートが開放されたのが11時前だった。
沢の水位が心配になるが、兎に角行って見ることだ。危険なら引き返す積りで出発だ。
札内川ヒュッテ前の駐車場でゆっくり昼食を済ませる。
歩きの人たちが数人、先に出発して行った。ザックは重いが電動アシスト自転車は楽だ。
このゲートから先へ車は入れない(札内川ヒュッテ前ゲート)
トンネルを抜けると地道になる
先に出発した登山者を途中で追い抜いて七の沢出合いに着いた。これで自分は今日入山者の先頭になったみたいだ。
これから向かう本流は広い河原歩き。
最初から沢靴なのでそのまま浅い川を渡る。この調子なら行けそうな気がした。
ピンクリボンやケルンを頼りに進む。そして藪に入った、怪しくなったがリボンはある。
また沢を渡るようにリボンに導かれるが水量と勢いが恐い場所に差し掛かった。
さてどうする、取り敢えずひと休みして冷静に対策を考えよう。
チェックをするKさん
この辺は浅いが向こう側は流れがきつくて深いらしい
そうしている内に1人、2人と後続の単独者が来た。
皆困った様子だが、まだ後ろに2人の単独者が来ているらしく、ここで待ってやる事にした。
5人の単独者が集まった。それぞれでは皆引き返したであろうが、此処からは俄5人パーティーの結成。
5人の目で進むと有効だ。そこは渡らず岩をヘツリ上流へ。
腰まで浸かったが皆で協力して渡った。私のストックは片方が水の勢いで折れてしまう。
左岸の笹薮を右往左往しながら八の沢出合へ。又々腰までの渡渉で幕営地へ到着。もうスッカリ5人パーティーになっていた。
東京のAさん、Bさん、京都のKさん、地元北海道旭川のHさん、そして大阪の私、そんなチーム結成だ。
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ここは楽々
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八の沢出合手前で休息
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今日の幕営地、八の沢出合
天気は安定してきた様だ。濡れ物を乾かし、和気あいあいの夕食で明日に備える。
【 2日目 7月29日 】
朝から天気は上々だ、一応登山靴もザックに入れて八の沢出合の幕営地を出発。
水の中を歩くことも多く、沢靴が有効だ。ほぼ左岸沿いにリボンはある。
大量の流木に閉口する場面もあり、時間が掛かる。
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向う左の谷から大きく落ちる滝を見る頃、険しく聳える山頂が望める。この辺りから山頂までの標高差は約1000m。
正面に見える滝の横を登ることになるようだが、その前にスノーブリッジを慎重に渡った。
深い日高へ、大自然の中へ、そのカムエクへ来ているのだと実感出来る場面だ。
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沢沿いに滝を巻きながら高度を稼ぐところだ。幾つもの滝がカールまで続いていた。
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縦走して下ってこられた「やま旅、はな旅」の管理人、老少年さんから提供して頂いた自分の写真
灌木も無くなり森林限界。見通しの良い気持ち良いカール。殆どの雪渓は解けていたが、湧き水が流れている。
ヒグマに襲われた大学生の遭難プレートに手を合わせて稜線へ向う。
カールから先はこれまでとは違いシッカリした登山道。歩きやすい道だ。
涼しい風の稜線で一休みし、展望を楽しむ。
隣のピラミッドピークが際立っている。近いのでピストンする人もいる様だがここでそんな気力は残っていない。
ハイマツを漕ぎ最後の登りで山頂に立った。
それぞれのメンバーが念願だったこの山。この山で200名山達成のKさんを始め、みんな感慨深い思いは同じだった。
深い日高の山並みを眺める。急峻で切れ落ちた稜線が目立つ厳しい山が続いていた。
地元のHさんだけは今晩も八の沢で泊まるので、しばらく山頂に留まると言い、ここで別れた。
(彼とは8日後の8/6日にニセコアンヌプリの登山道で偶然の再会があり、その晩は一緒に飲んだ)
山名標示の無いカムイエクウチカウシ山頂
一等三角点だけが目立つ
登ってきた稜線の向こうにはピラミッドピーク
日高の山並み
カールへ戻り、渇いた喉に湧き水を流し込む。兎に角冷たくて美味い水だ。1Lも飲んでしまった。
山頂まで9時間20分のピストンだった。テントを撤収し重いザックで沢を下る。
昨日よりは多少水量が減っていたように思ったが、又々腰まで浸かってしまい下着を濡らした。
東京のBさんは流れに巻込まれて全身浸かってしまったが、立ち直って渡った。
Aさんは深みで私にストックを差し伸べて手助けしてくれた。下りの沢なら濡れることも愛嬌。
すべては終った。無事に下山出来、お互いを祝福。それぞれがお礼を言って別れた。
登山靴は一度も使うことなく全てを沢靴で通せた。
カールから山頂までは登山靴が良いのだろうが、履き替えるのが面倒くさかった。
林道歩きは登山靴なのだろうが自分は自転車だったので、そこも沢靴で乗った。
念願だったカムイエクウチカウシ山は、その時の条件にもよるが、やはり一筋縄では登れない厳しい山だった。
それだけに、とても大きな充実感を味わう事が出来た。
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