朝5時頃、日高山岳センターの前を通る
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札内川ヒュッテ前に到着。
何十年も未開通の道道111号線はここ「かつらトンネル」の手前にゲートがあり、ここまでとなるので沢スタイルで出発準備。
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「かつらトンネル」を抜けると橋を渡り、直ぐにある「あかしあトンネル」の手前にコイカクシュサツナイ岳(通称コイカク)の登山口道標。
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数分は林道跡のような広い道を沢へ下る。
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最初は 広い歩きやすい川原を進む
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堰堤越えは右岸の端にぶら下がっていたロープを頼りに
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谷が迫りハコ状態の箇所も水量は少ない。
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流れも弱くて膝上くらいだったので問題なく通過出来た。
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ひと休み
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何度も渡渉を繰り返し、尾根取付点の上二股が見えた。
ここの標高650m。
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洗濯ネットに入れた沢装備一式とヘルを枝にデポし
消費の少ない私だが最低限の5リットルの水を汲みザックに詰めた。
重くなったザックで笹をかき分けて進むが道が消えた。
右往左往し、かき分けて進んだ先にピンクリボンがありホッとする。
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暫くは被ってくる笹を掻き分け、急坂は笹を頼りに体を引き上げる。
時々ダニを払いながら登る。
標高1000mを過ぎる頃笹も背丈が低くなった。
一息つける1305mのテント場
この先で足が吊りだしたが、即効薬と暫くの休息で復活出来た。
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容赦なく急坂が続き、ここが難所のロープ場だろうか、痩せた岩の斜面に差し掛かる。ここで一休みだ。
すると上から人の声がした。この山には今誰も居ないと思っていたからビックリだ。
早朝から沢を詰めてコイカクシュサツナイ岳(通称=コイカク)へ上り、もう下るのだと話していた日帰り沢装備の二人連れだった。
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何度も休憩を繰り返し、約5時間かかった急登が終わり、
展望の良い夏尾根の頭へ到着。
さあここで展望と大休憩だ。
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南に眼をやると、明日目指す1839峰が稜線の右端に握りコブシのような特徴的な姿に見えている。
北に眼を移すと、真ん中奥に高くそびえるカムエク。
コイカク山頂の一張りのスペースを今回のベースにした。
風は強いと聞いていたが今日はまだ穏やかな方だ。
オレンジに染まる。ここは日高山脈のど真ん中。
【 2日目 7月25日 コイカクシュサツナイ岳~ヤオロマップ岳経由1839峰ピストン 】
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北海道の夜明けは早い。日の出前の3時半頃から明るくなってくる。
十勝平野に陽が登る。
4時半ごろ、食料以外の不要のものをテントにデポして日帰り装備でスタート。
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ハイマツの藪こぎから始まる。 |
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花に癒される
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一旦下り、ヤオロの窓を左に見てP1740へ |
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1839は遥か先に見える。
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← 往路ではどこがヤオロの窓かは確定できなかったけど
後で判った。
これは帰路に写した。 |
P1740から
もうすぐヤオロマップ岳(通称=ヤオロ)山頂か。
痩せた岩場の尾根だが、比較的足元が見え易いのでハイマツ漕ぎより随分歩きやすい。
出発から約2時間半、ヤオロ山頂に到着した。山名表示板らしきものはあったが全く文字は見えない。
南部の山が近くなったので見えやすい。ペテガリや神威らしき山が眼に入る。
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ヤオロの手前に二箇所、超えた所に一箇所のテントスペースがあった。この付近から谷を下った所に水場があるらしいが、今出ているかどうかは分からない。
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ヤオロを下って進むと直ぐにお花畑が数箇所あった。
滅多にない草地でホッとする。
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エゾカンゾウが咲き乱れていた。その向こうにペテガリ岳、神威岳らしき姿が望める。
ここからは足場が悪く、厳しい藪漕ぎが続いた。
直射日光が注ぎ込み気温が高くなると休む回数が増えてきた。
あとふた山超えなければと、気が遠くなる
最後の登り。60度も有りそうな草付きの斜面が気色悪かった。
朝スタートしてから約6時間、念願の1839峰到着。
しっかり展望を楽しむ。
ここからは遥か北方向に幌尻岳や戸蔦別岳が小さく小さく見えていた。
南方向
眺めていると次第に満足感が込上げてくる。
日高の山は三角に尖った山と険しい谷ばかりが目立っていた。
帰路は足取り重く、モチが下がる。しかし気が抜けない。足元が見えにくく緊張のしまくりだった。
前衛峰を下った頃、また足が攣った。
昨日同様暫くの休憩を取り即効薬で持ち直した。
今日登ってきた二人の若者とヤオロの山頂で出会い、暫く会話を交わす。
藪の中、ここまで重いザックでやってくるとは大した者だと思った。
以後この山では誰にも逢うことはなかった。
13時間半の格闘を終え、我がテントへ戻ったのは既に18時寸前だった。
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【 3日目 7月26日 コイカクシュサツナイ岳~札内川ヒュッテの駐車場 】
下るだけになった朝は余裕がある。
しっかりテントが乾くまでのんびり出来た。今日も空は青い。
1839峰様をもう一度眼に刻んでおこう。
カムエク、エサオマン、札内岳、ピパイロ岳あたりの山並み
お世話になった左のコイカクからヤオロへの山並み(夏尾根の頭から)
無理せずゆっくり休憩を取りながら沢まで下り、気にしていた膝の悪化もなく安堵した。
ジャブジャブ、気持ちよく沢を下りトンネルへ戻った。
遠征のメイン、念願だった1839峰を終え、心を込めて下山の届けを記入した。
世間では日本百名山の中では幌尻岳が最難関と云われている。(冬季、岩、沢を除く)
その一格上が日本二百名山の最難関のカムエク。
自分の体力が落ちつつある事を勘案しても1839峰はその一格上の超難関だったかもしれない。
いずれも日高山脈にある。
兎に角、噂通りの山であったのは間違いなかった。
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