金冠山は鉾ヶ岳のジャンダルム (下山した溝口登山口側から、ここから鉾ヶ岳山頂は見えない)
 2021年05月20日  新潟県糸魚川市柵口(ませぐち)から権現岳、トッケ峰、鉾ヶ岳、金冠山を廻り溝口へ下山。自転車で柵口へ戻る
 メ ン バ ー  単独
行    程  柵口登山口6:30~白滝展望7:08~胎内洞8:00~8:13天狗屋敷8:18~9:03権現岳9:18~10:30トッケ峰10:40~
 小憩0:10~11:40鉾ヶ岳12:10~大沢岳12:25~12:42金冠山12:50~島道鉱泉分岐14:30~溝口登山口15:00
     計 11.5km  8時間30分(山頂ほか休憩 約分含)   全行程の上り累積標高
 
約1150m
山    名  鉾ヶ岳(ほこがたけ 1316.3m)、トッケ峰(1289m)、権現岳(1104m)、金冠山(きんかんむりやま 約1180m)
天    候  晴れのち曇り


鉾ヶ岳は海谷山塊の一つで一等三角点のある独立峰。残雪と新緑の季節を狙ってみた。

今回は登山口と下山口を繋ぐために自転車を積んできた。
先ずは下山する溝尾コースの登山口へ。道路脇に見つけた標識に沿ってクネクネと走り標高360m。
ここに自転車をデポした。棚田を縫って上る舗装路だった。



拡大できます



デポしたあとは登山口へ。
ここの登山口は目標である鉾ヶ岳の前衛峰の権現岳の登山口でもある。草地の駐車場の前には蛇口のある水場があった。
松本ナンバーの一台の車が停まっていたが既に登って行かれたのだろう。
見上げる権現岳は露わな岩肌が険しく立ちはだかる。


登山口へ向うと真ん中奥には妙高山が現れてワクワク
左のとんがりは不動山

 
登山口付近から見える権現岳。山頂は見えない。
右奥に残雪の山が見えるが、目標の鉾ヶ岳かも知れない

 
少し登るとチゴユリ。日が差してないのでカタクリは俯いている。
  薮が起き上がらない様に土に汚れた雪渓を上る。
 
 右に滝が見えたけど、この先の事が気になりゆっくり観る余裕はない。
斜面には長いロープ。ここは滑るので頼るしか無い。
 
白滝の道標(展望台)あり。先程の滝の名だろう。
 
 辺りにはイワカガミが目立つ様になるが
、容赦なく急登が続き、足場の悪いトラバースも。

 
ここで日本海側を見下ろす絶景。向こうは米山か。
中々のバリエーションルートだ、

 

次はよくある胎内くぐり、ここには胎内洞と記されていた。
岩の洞を矢印に登るのだが、分かり難いので導きロープに頼る。

  岩の隙間から光が入る所もあったが曇りの日は暗いと思う

垂直にも見えるぶら下がったロープ場を超え天狗屋敷。
一呼吸入れられる岩の踊り場だった。



 
急坂はほぼ終わり、ここから権現岳山頂まではやせ尾根の様だ。
ハサミ岩と云われる狭い岩の間を擦り抜け降りる

 

岩を積み上げた細尾根上に白山宮の祠があつた。
ここまでずーっと花はあったものの激しし登りは緊張の連続、
落ち着いて花を観る余裕が無かった。

 
権現岳山頂が近づき、気持ちの余裕が出来たころ、雪渓周辺は花のオンパレードだ。
盛りのカタクリ、イワウチワ、深い色のイワカガミ、シャクナゲ、コブシだ。

 
     

権現岳山頂。
丁度天気も良くなり展望は最高だ。
目標の鉾ヶ岳は近くに見えるがここまで激しい登りだったのでバテ気味で先の事を思うと気が重くもある。




次のピークはトッケ峰だ。 慌てずに花に癒されて歩こうと思った。
意に違わず花は多い。シャクナゲ、イワナシ、ムラサキヤシオ、カタクリ群、イワウチワ。

濃淡のイワカガミ 
  白いシャクナゲ
 
淡いピンクのシャクナゲ
 
コブシ
 

イワナシ
 
ムラサキヤシオ
 

カタクリ群生はあちこちに


イワウチワとカタクリ



  


雪の斜面を過ぎて又もや垂直のロープ場だ。
古い針金や鎖も一緒にぶら下がっているが安定した岩の足場が無くて苦戦する。


トッケ峰
山頂は笹に囲まれていた。妙高方面は広い雪庇の上からバッチリみえる。



鉾ヶ岳への道筋も良く見えている。ここから雪渓を下って登る感じだろうか。
 
ここでチェーンアイゼンを付けた。気温が上がり雪面は緩くなっていて、このアイゼンの浅い爪では大して要を足さない感じだ。矢張りまともなアイゼンとピッケルを持って来るべきだった。下り斜面は一歩一歩、特に慎重に歩いた。
  でも登りの広い斜面は気持ち良い、展望もあり、気分は高揚してくる。

もう直ぐ鉾ヶ岳山頂ちょっと気分に余裕が出来て自撮り
 
 
笹の中に現れた鉾ヶ岳山頂小屋と三角点。
なんとも殺風景な鉾ヶ岳山頂だ。

 

鉾ヶ岳山頂

展望も無いし・・・・と思って20m程笹を分けて行けば・・・・何と・・・広い山頂雪原あり、文句なしの展望だ。
良しここで疲れた身体を癒そう。シートを敷いて寝転んだ。雪のベッドが超気持ち良かった。

最高の展望を楽しまねば。
越後山脈も見えていたけど霞んでいた。それに比べ妙高連山の素晴らしい姿に見惚れる。
その背後には後立山の山並みも目に入る。
残雪と新緑の魅力を探しに来てみたけど、花満載と大展望が重なり条件が揃いすぎたかも。滅多に無い幸運だ。









さて下りだ。装備不足の反省もしながら雪渓を広沢岳へ。

振り返る



つぎは尖った金冠山(鉾ヶ岳のジャンダルム)へ
ナイフリッジを不安定なロープで。

 
  金冠山山頂。奥に鉾ヶ岳
山頂標には1140mと記されていたが実際には約1180mあった
 

金冠山からの下りでは2段に分かれた70〜80mも有りそうな長い長いロープ場。
足場に不自由する垂直に近いロープには驚いた。もしもこれを登りに使ったら途中で力尽きそうな気がした。


良し、これで落ち着けるか、と思っていたら大違い。
雪斜面を下り直角に左に曲がる広い雪の斜面はルートが分かり難い所があった。

  
 ミヤマカタバミ
 
サンカヨウ
 

少し下って見上げる金冠山のピークには迫力を感じた。また新緑と残雪のコラボの極みの風景だ。

  
 ルートが判り難い
  そこそこ下ってくるとシラネアオイも
 
 
標高600まで、雪渓が残っている嫌な谷を何度もトラバースした。
此処でも装備不足の反省だった。
 
デポ下自転車の所へ下山
自転車で柵口集落まで6.5km下り、登り返しの2㎞は徒歩で出発点へ戻った。
 

結局、出逢った人は無かった。登山口で見た松本ナンバーの車は無くなっていたので同じルートを辿ったのかもしれない。

標高差がある事が分かってはいたけど低山だと舐めていたかも知れない。 膝はもとより、体力も年々、しかも急速に落ちている。
その事も念頭に入れて山を続けたいものだ。
兎も角、絶好の天気の中、残雪と新緑、花と展望を存分に味わい、厳しくも印象深い登山だった。
この山は残雪の量や状態が不安定な時期を外して6月中旬以降がベストかも知れない。


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