25年前に一度登った、体力的に登れなくなる前に。是非もう一度登りたいと思っていた山の一つ。
何処から眺めてもカッコよく切れ味抜群の山、それが前穂高岳だ。
前回と同じく岳沢にテントを張りピストンしてみたい。
前回は奥穂も一緒にピストンしたが今の自分にそんな力はないので前穂高だけで十分。
前回の印象の記録はこうだった
「岳沢朝4時から登り、夕方4時すぎ上高地に降りる。12時間あまりの長丁場、岩場が多く、全身を使い果たした感あり」
どちらにも動きそうな天気予報では予約が必要な小屋泊は変更やキャンセル料が面倒なので予約不要のテント泊にした。
一泊のテントなのでザックは8kg以下に絞った。岳沢までは標高差700m、これなら何とかなりそうだ。
【2023年7月10日】
平湯のアカンダナの駐車場からバスで上高地へ。上高地登山開始は午後の予定にしていたが早く着いた。
河童橋周辺は観光客で賑わっている。半分以上が外国人だ。山に入る者はほんのごく僅か。
特に岳沢方面は遊歩道から山道に変わる登山口で追い抜いた高齢の4人パーティだけだ。
たっぷり時間があるのでゆっくり登った。
実は前穂高には寄っていないが西穂高から奥穂を回って重太郎新道で上高地へ下山に使った事も有る
(No,615 晴天の1日に賭けたジャンダルム 岳沢から上高地へ下る (doppo7.sakura.ne.jp)
その時の登山道や岳沢小屋周辺の事も余り記憶に残っていなかった。こうして味わい乍らの歩きは新鮮に感じる。
まだ客の居ない岳沢小屋に到着した。管理人さんがただ一人だった。
テント泊の手続きをしながらの会話で大阪の交野市の出身だとか。
関西人と言うだけで親しみを感じ、少し話した後、沢を渡ってテン場を選んだ。他に置きテンが2張りあるだけだった。
この何気なく選んだテント場が後にアクシデントに。
青空も見えて暑い下界とは違い気持ち良いのでテントで昼寝。
そこそこ寝た後起きてみると雨になっていた。直ぐに止んでホッと一息。
早めに夕食を済ませる。空も明るくなり明日の好天を期待して就寝へ。
夜中12時頃眼が覚めた。
雨だ雨だ、結構降ってる。
あれ、シュラフが濡れてる。
古いテントのシームも剥がれた所もあるし、こんな事もあるだろう、いい加減な自分のやる事だから。
ライトを付けてよく見るとテントマットの下にも水が染み出している。
これは参った。側には沢があったので水はそっちに全部流れるものとタカを括っていたがテントの半分は水の流れに。
この後、給水クロスを休める事も無く朝となった。
何度かこんな経験はしているけど学習出来ない適当な自分が情けない。
(帰宅後.テントの剥がれかけたシームテープを張り替えたのでもう少しは使えそう)
アカンダナ駐車場はガラガラ
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河童橋付近
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登山口
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風穴
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ガラ場
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岳沢までの道標はこんな感じで判り易い、ここは5/10
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ゴゼンタチバナ
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コミヤマカタバミ
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シロバナグンナイフウロ
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点々とある岳沢のテン場(予約不要)
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上高地を見下ろすいい感じの岳沢小屋
Myテント
【2023年7月11日】
雨は止み、気を取り直して少し明るい重太郎新道をゆっくり登る。
実は2日前から歯痛がある。膝痛、腰痛もあるので鎮痛剤は昨日から服用している。
取り敢えず薬は3痛に威力を発揮しているので安心だ。
けどこんなに急斜面だったかなー、これはキツイ。元気なときは気にならなかったのかも知れないが今の自分には厳し過ぎる。
疲れないように意識してゆっくり登らねば。
女性ガイド付きのアンザイレている4人パーティが自分を抜き去って行く。
ゆっくりね、これで良いのだと自分に言い聞かせる。紀美子平から山頂へはもっと厳しい斜面となった。何とか山頂へ到着。
雨は降って無いがガスガスで展望は期待できそうも無く。風は強く寒い。長居は出来ず下山へ。
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シロバナグンナイフウロ
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シナノキンバイ
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モミジカラマツソウ
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小屋を見下ろす
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愈々岩場
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ハシゴは腰にくる
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女性4人
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?
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ハクサンイチゲ
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雷鳥広場 ガスに包まれていたけど雷鳥見えず |
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紀美子平 |
不安定で急なガラ場
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とってもキツイけど、こんな登りは楽しい
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山頂到着するも何も見えず
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アオノツガザクラ
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下山中、元気な西欧人の若者7~8人とスライドした |
チラッと青空が見えた瞬間の明神岳、結局前穂高の姿は拝めず
岳沢と上高地を見下ろす
赤い屋根の岳沢小屋がハッキリ見える
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テント撤収して上高地へ、何年振りだろう今日は11時間を超える長い一日だった。
限界だったような気がする。これからの山行きの目安にする良い試練だったとしたい。
この5日後、前穂高岳で滑落死亡事故が2件発生した記事を見た。
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