好天が続く3日間、久しぶりに大峰を歩いてみたくなった。
でも泊まる荷物で歩けるかどうかは分からない。ダメなら引き返すことも頭に入れておこう。
サポーター、痛み止め薬、携帯低周波治療器を持参する対策をとった。
ここ3ヶ月は衰えた筋肉を何とか取り戻そうと近場の山でトレーニングをした。
今もそうだが膝痛や腰痛の治療と言うか、リハビリ、薬、注射、何をやっても大した効き目が分からないのが現状。
長年無理をした結果は簡単には取り戻せないのだろう。
今自分に出来ることは筋力を保つ事ぐらいしか出来ないのかもしれない。
今後の為にも必要な対策を取ってのテスト山行にしようと思った。
この山行のYouTube動画はこちらから
山は朝夕の姿や凛とした空気が一番。今回はそれを味わえる場所として楊枝ヶ宿に決めた。
スタートは熊渡、下山は自転車をデポするトンネル西口の弥山登山口と決め、取り敢えずトンネル西口へ。
都合で家を出るのが遅くなりトンネル西口へ着いたのは既に13時を過ぎていた。
流石GWだ、トンネルのずっと手前の道路脇のスペースに駐車は続いていた。
適当に道脇に自転車をデポし、スタート予定の熊渡へ戻った。此処までは計画通りだった。。
ところが下山日になって自分のマヌケに気が付き、結果はトンネル西口には下山する事が出来ず、スタート地の熊渡に下山となった。
(1日目 2024.05.03 狼平へ)
スタートは14時に近かったが、日暮れ前には何とか狼平へ着きたい。
熊渡橋を渡り、登山届ボックス(自分はWEBで県警本部に届け済)の前を通り林道へ。
カナビキ尾根を登る人、弥山川双門コースを行く人は此処で届を出すことになる。
ここの林道歩きは筋肉のウォーミングアップには丁度良い。
分岐。左へ下れば弥山川への白川八丁、真っすぐ行けばすぐにカナビキ尾根の取り付き登山口。
ここまで林道の標高差は190m。登山口から川合古道のカナビキ分岐までは約600m弱の急登。
1050mまで登ってきた。何度も通っているこの道、この枯れ木へ腰かけて休憩には丁度良い所。
16時15分、川合古道へ到着して、また大きな倒木に腰掛けて休んでいると川合側から若者2人がスタスタと来て通り過ぎて行った。
「弥山まで行く」と言っていたが日暮れまでに辿り着けるのだろうか、とは思ったけど大きなザックの割にはとても元気そうだった。
下山してきた登山者情報によれば、弥山のテント場は大混雑で登山道の中までテントが張られているとか。
狼平はどうなのだろうか、自分は軽量化のためツエルトにしたので、朝の寒さは厳しい。出来れば小屋に泊まりたいが。
緩やかな歩きの川合古道
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手前の小沢で綺麗な水を汲み狼平の吊橋を渡る
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狼平避難小屋 18:05到着、日暮れ前で良かった。小屋の中には1階に先着3名だけ。
既に食事を終えて寝ている方も居たけど1階に場所確保できた。外にテントは3張だけだった。
夜、何度も脚が攣って堪らなくなり外に出て運動をしながら星天を観た。
吸い込まれるような星空が痛みを紛らわせてくれた様な気がした。
(2日目 2024.05.04 楊子ヶ宿へ)
例年より随分気温が高いとはいえ、標高1600mの狼平の朝の気温は5度、ピンと張った空気が気持ち良い。
今日の行程は短いので兎に角ゆっくり楽しんで歩いてみようと思い、最終出発となった。
気分次第では七面山にも行きたいが無理はしない積り。
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昨日通った高崎横手に戻り、日裏山へ向かう
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いつだったか、道標の向いていた向きが間違っていたとかで遭難者が出て
問題が取りざたされたトップリ尾への分岐。
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日裏山山頂
山頂は樹木が邪魔しているので少しずれると展望できる。
遥かに釈迦ヶ岳の姿
八経ヶ岳
西方向には雲海も
明星ヶ岳へ向かうレンゲ道を少し西にズレると好展望地、近づく釈迦ヶ岳。立ち枯れの針葉樹が多くなる
弥山辻 チラッと見えるのは尖った八経ヶ岳
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明星ヶ岳山頂 背後は八経ヶ岳
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釈迦ヶ岳方面の眺望で寛ぐ登山者
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暫く登っていなかった明星ヶ岳山頂、こんなに展望が良かったかな? とても 展望が良くなっているような印象がした
南へ下ってゆく奥駈道にはカタバミが多くなり、陽が高くなるに連れて花びらが開いてきた
ひょっとしてこの時期だからこの辺りの岩場にも咲いていないだろうか?
と期待して歩いていたらラッキーにも左右の足元にそれぞれ1輪のオオミネコザクラ
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オオミネコザクラ
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カタバミ
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明星の下りは五鈷峰へ近付く程足元が不安定な崩壊地を通る。年々崩れているらしい。ロープなどの設置も有るけど注意が必要な所だ。
鎖とハシゴを下れば広い草地の休憩適地だ。お二人さんが休んでいた、「猫の耳をバックに撮りましょうか」と言って撮って頂いた。
なるほど、最近はSNSアップですぐに広まるようで、ここからの七面山を「猫の耳」と(^0^)
猫の耳の正体はこの峰
気持ち良い舟ノ垰を通り七面山遥拝所から楊枝ヶ森の東側をトラバースして楊子ヶ宿の笹原へ
11時35分 コブを超えて崩落地を高巻いて下れば見えてきた本日の宿
楊子ヶ宿避難小屋
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まだ午前中だ、小屋には誰も居なかった。
先ずは水だ、小屋裏を少し水平に歩いた後少し下る。5分程だ。
未だ水が涸れる時期では無い様だ、1リットルが50秒だった
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GWのど真ん中は混みあうかもと小屋のスペースを確保した。テントが2張だけ。
昼寝のあと、七面山へは行かず笹原から見るだけにした。岩壁の向こうに「アケボノ平」がチラ見えていた
北を見る。明星、八経、弥山、近畿の屋根が並ぶ。 右奥には大普賢岳、眺望抜群だ。
夕刻、小屋は4人連れの家族が同宿となり、一緒に七面山に沈む夕陽を楽しんだ
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18時45分 陽は七面山西峰に沈んでいった
(3日目 2024.05.05 復路 熊渡へ)
朝の太陽は大台ヶ原に昇った
テント泊された方と朝陽を迎える
5時55分 今日も好天、眩しい陽を浴びて出発
前に見える楊枝ノ森へ
もう一度七面山を見て
気持ちよく歩いて舟ノ垰を超えてテント泊に良さそうな所でひと休みだ。
此処は神仙平を見下ろし、猫の耳を見ながら泊まれる絶好の場所。ただし水が無いので予め用意しておきたい。
50mほど離れた所にもテント適地あり
五鈷峰を超えて往路にも休んだ岩峰の前で今日もリラックスだ。そうだ、デポした自転車の鍵は何処にやったかな?探してみよう。
探せるとこは全部探したが無い。そういえばザックにも何処にも入れた記憶がない。どうやら車に置いて来たようだ。
こんな事3度目かな? いまだに学習出来ていないのが悔しいが、もう遅いのだ。
ちょっとショックだけどスタート地の熊渡へ下山するしかない。
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気を取り直さねばと思いながら岩場へ登ってゆく。
揺れる梯子を登り、上を見れば岩壁。
その岩壁に、可憐なピンクの花!!!。
数輪ではなくて大きな株のオオミネコザクラだ。3か所に。 危険地帯で足元ばかりに気が行って往路では気付けなかったのだろう。
その華やかさに胸躍り嬉しくなった。
この花のお蔭で一発逆転だ、モチベーションを取り戻せてよかった。 |
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もう直ぐ明星だ、何度も振り返り名残を惜しむ
仏生ヶ岳と釈迦ヶ岳
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カナビキ分岐まで戻る
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この付近の雰囲気は季節を問わず好きな所、淡いグリーンのカエデが眩しかった
熊渡橋下山
トンネル西口へデポした自転車を回収して、いつもの天の川温泉で三日間の汗を流した。
テストを兼ねた久しぶりの奥駈歩きは、歳を重ねて更に奥深い素晴らしさを実感する山行となった。
この山行のYouTube動画です
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