No,379 南アルプス南部縦走
三伏峠から荒川三山、赤石岳、聖岳へ

とても静かだった 百間洞山小屋で一休み

 2003年7月18日〜21日  3泊4日 小屋泊
 メ ン バ ー  郭公、DOPPO  2名
行    程  初日=鳥倉林道終点〜登山口〜三伏峠〜烏帽子岳〜小河内岳、避難小屋泊
 2日目=小河内岳避難小屋〜高山裏小屋〜荒川前岳〜中岳〜(悪沢岳ピストン)〜荒川小屋
      〜赤石岳、避難小屋泊
 3日目=赤石岳避難小屋〜百間平〜百間洞山の家〜中盛丸山〜兎岳〜聖岳〜聖平小屋泊
 4日目=聖平小屋〜薊畑分岐〜便ヶ島〜易老渡駐車場
山    名  烏帽子岳(2726m)・小河内岳(2802m)・荒川前岳(3068m)・荒川中岳(3084)・悪沢岳(3141m)
 小赤石岳(3081m)・赤石岳(3120)・中盛丸山(2807m)・兎岳(2818m)・聖岳(3013m)など
天    候  7/18−曇 、7/19−午前中曇、午後雨、 7/20−午前中曇、午後時々雨、 7/21−曇

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展望図
昨年来の念願であった聖岳方面を梅雨明けと同時のこの時期にやろうと考えていた。聖から光で3日間。どうせならばもう少し足を伸ばして荒川方面も歩いてみたいものである。1日増やし4日間の行動を視野に入れ、車の駐車、あるいは電車、バスあれやこれやと一ヶ月位考えていた。単独での縦走は足場の悪い南アルプスでは日程的にロスが多く困っていた。

ある飲み会でそんな私の計画を話していたら、同行したいと申し出た人がいた、それが今回の同行者郭公さんなのである。
車二台ならば、登山口、下山口と廻送のロス時間はあるが、自由に予定が組める。

そこへ同日出発で塩見方面へ行ってみたいと、三重方面のRINちゃんも初日同行での参加である。そうなると車は大阪から一台にして行ける。上手く三人で交通費を分担してのスタートとなった。

兎に角、下山地予定の易老渡の駐車場へ二台で向い、一台をデポする予定なのだが!
高速の飯田までは速かった。しかしここからは実に時間が掛かった。夜でもあり暗い道はとても分かり難くかった。
ここまでの道の分かり難さを考えると、このまま登山口まで夜中に移動する事は難しい。
みんなの意見により、この易老渡で仮眠をとる事にした。車に積んでいたテントを張りここで寝る。RINちゃんは車の中で寝た。(2時)

予定では、4日目には光岳まで歩き易老岳から下山するので易老渡へ駐車したのですが、結果は聖平から下山したので、易老渡よりもう少し奥にある広い駐車場の便ヶ島へ駐車しておけば良かった事になる。

7月18日 初日歩いた道
(6時30))
一台の車に乗り替えて、鳥倉林道へと向う。少々分かり難い道もあったが、既に空は明るいので何とか予定の駐車場所へ着く。(9時)


登山口はこの先、林道をぐるっと一回りすると大きな標識と共に現れた。

(9:50)ここから山道に入り、いきなり急登となり大きく汗をかく。
ある程度高度を稼ぐと比較的平らな道が続き、やがて塩川からの分岐を過ぎ、最後ののぼりの途中から、塩見岳の姿が見えるはずであったが、生憎の天気でガスが立ち込めては何も見えず。三伏峠で昼食(12:35〜13:00)

RINちゃんは今日この峠の三伏小屋で泊まるので手続きをし、荷物を預けてこの先の烏帽子岳まで同行する事になった。

峠を過ぎて少し歩いたところでお花畑に出る。少し小ぶりな花が多いようにも思えたが、久しぶりに色とりどりの花を眺める事ができて楽しくレンズを構える。






  

  

烏帽子岳へは西側斜面が大きく崩れ落ちた尾根の道。
RINちゃんはここまでで引き返していった。
 
烏帽子山頂にて

この後も前小河内岳、小河内岳へは西側が大きくガレた斜面の道を歩き、小河内岳避難小屋へ到着(15:30)
ここでのお出迎えは、小屋の管理人ではなく先に到着してくつろいでいた長崎からきたと言う達者な3人衆であった。

小屋の管理人は二年前と変ってはいなかった。話をすると私のことを思い出してくれた。この人は奈良県からこのシーズンだけ管理人としてここに暮らしているという、同じ関西人という事でなのだろうか、印象に残っていた。泊り客は6人。みんな食事の仕度をしながら話に溶け込む。
1人だけ、郭公さんはコクリコクリと居眠りしていた、睡眠不足だったようで疲れている模様。シッカリ寝て明日の長丁場に賭けることにしよう。




7月19日 2日目歩いた道
初日の遅れを取り戻したい気持があり、早発ちの3時40分。まだ暗い、ガスのたち込めた小河内岳山頂でヘッドランプの中に荒川方面への下山路を探す。
あたりは濃いガスに覆われている為にメガネはスグに曇り、ヘッドランプで照らしている足元が見えなくなる。こんなときメガネをかけているととても不便を感じる、思うように歩けない、情けないかぎりだ。

100mも下がると標高は2700m、潅木帯に変る。2600mになると樹林帯になる。とにかくハッキリと区別されたように標高が解る。
あたりも次第に明るくなってきた。南アルプス独特の針葉樹林帯の中を少しずつ下ってゆく、良い雰囲気の尾根道歩きが続く。

高山裏小屋の屋根が見えてきた。静かな森の空間にオアシスといった感じだ。森の中のあちこちにテントスペースが設けてある。

 
高山裏小屋前でKさん

暫く歩いて水場。長崎3人衆もここで休んで朝食をしていた。僕達は先に進む。
ここから最大の難関、標高差700mのガレ場の急斜面を登る事になる。
ガスの中に時々上のほうが見えていたが、随分時間が掛かった

9:30 荒川前岳到着 風強く小雨。



9:50 中岳分岐。ここにザックをデポして悪沢岳へ。
雨は降り続いている。風は強く、休めば寒い。しかし周りにはお花畑が一面に、山頂近くまで広がっていた。
これで好天ならばどんなにか良いことだろう。

 

10:50 悪沢岳山頂。

中岳分岐から荒川小屋へ下り、小屋の軒先で雨を凌ぎ、震えながら郭公さんが作ってくれたラーメンで昼食とした。

午後もず〜っと雨となった。濃いガスの中での小赤石岳、赤石岳へは辛い登り。その中にも、また多くの花が迎えてくれたのは幸いであった。

  

赤石岳山頂でも記念写真を撮る余裕もなく、予定の赤石岳避難小屋へ駆け込む。山頂からはホンの1分程の距離にあり、管理人に宿泊を申し込む。
「お疲れ様です、お待ちしてました」・・・・・・13時間も雨の中を歩いてきたからだろうか?この管理人からの言葉がとても心地よく聞こえた。
前夜の小河内岳避難小屋の管理人Y氏が無線で連絡してくれていたからだろう。有難かった。

夕刻、暫し聖岳が見えはじめ、この一瞬とばかり小屋の宿泊者は外に出て写真を撮り始めた。
寒い身体を温めようと、ストーブの周りにしがみ付いていた私も一応外に出てみる。
素晴らしい夕景である。この山行で初めてみる山岳風景だったかもしれない。

 
3日目へ続く

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